LINEをブロックされない「内定者フォロー」の施策とその事例

最終更新日 2023年4月19日


LINEでのコミュニケーションが「日常」になった今、その利用率の高さを活かし、学生とコミュニケーションをとるべく、採用活動にLINEを導入される企業様が増えています。
売り手市場の中、よく相談をいただくのが内定者フォローです。
学生は「就活生」と大きく括られますが、彼(彼女)らが貴社を目指した理由や、志望順位は1人ひとり異なります。

それゆえ、学生にどうアプローチすれば内定辞退されずに済むのか…と話す人事担当者は少なくありません。
いまこの記事を読んでいる人事担当者様も、同様の悩みを抱えてらっしゃると思います。
本記事では、「LINEをブロックされない内定者フォローの施策」をまとめます。

内定者フォローの施策

学生がLINEをブロックするのは、まず人事担当者からの連絡が遅いときです。
売り手市場の中、政府が定める就活ルールよりも前に複数企業から内定を得ている学生が増えています。
貴社においても、学生との接点を確保すべく早く動いているでしょう。
企業様・学生の双方が「早期化」を共通認識に動いている中、連絡が遅いほど競合企業に学生を取られてしまう可能性は高くなります。

ゆえに、学生に内定を通知したその日にLINEを送るべきです。

1.ファーストコンタクト

【メッセージ例】

すでにLINEで連絡をとっていると思いますので、内定者フォローのファーストコンタクトで堅苦しい挨拶はいりません。
売り手市場の影響で内定承諾後も就職活動を続ける学生が増えています。
人事担当者様としてはやめてほしいところですが、それを企業様側から言ってしまうと、学生に「オワハラを受けた」と、良くない印象を与えてしまう可能性が考えられます。

そのような誤解を避けるため、ファーストコンタクトでは、学生の活動を否定せず、『□□さんが「この会社で働きたい」と思い続けられるような情報をお届けします!』と書くのが有効です。

例文のようにメッセージを展開すれば、学生に人事担当者様の本音は誤解されません。
くわえて、『社員の様子や業務中の1コマを発信していきます』と書けば、学生に貴社が今後、LINEで届けるコンテンツの内容を伝えられます。

2.コンテンツの安定した提供

上述のとおり、内定を得たとは言え、就職活動を辞める学生は少ないのが実情です。
学生は選択肢がある限り、自分にとって最良の職場を目指して就職活動を続けます。

それゆえ、彼(彼女)らは、貴社にどんな社員様がいるのか。
その社員様は、自分が仕事で成果を挙げたとき、あるいはミスをしてしまったときどんな反応をしてくれるか、といった、人と職場の雰囲気に関心が高い傾向にあります。
それゆえ、最初は学生がそれを判断できるような動画や記事を届けるのが良いでしょう。

(1)工数削減のための工夫

とは言え、人事担当者様の多くが採用業務と別の業務を兼任しているため、コンテンツを準備する時間がないのが実情でしょう。
そこでMOCHICA運営部では、人事担当者様に対し「配信するコンテンツを曜日ごとに決めるのが良い」とお伝えしています。

たとえば、以下のとおりです。

【発信するコンテンツの例】
●月曜日:各部署の長や若手社員の密着動画を撮影し、発信
※動画の編集時間を取れないときには、Instagramに写真と文章を投稿。
●金曜日:社員のインタビューや仕事内容を紹介
○※このほか、学生から見たいコンテンツを募集するのも有効
○また、学生から質問や問い合わせがあれば別途、随時対応

投稿テーマをあらかじめ決めていれば、コンテンツに迷わなくなります。
また、スキマ時間に各曜日のテーマに沿った写真を撮影し、投稿文を後日考えるなど、工夫すると他業務への影響を最小限に留められます。
LINEを含むSNSの運用で大切なのは、発信を止めないこと。かつ、企業の担当者が無理なく返信・応答できること。
そのために、「コンテンツを曜日ごとに決めておく」「1人の社員に負担をかけすぎないよう、アカウントを複数人で運用する」といった方法が有効になります。

3.適切な頻度と時間を学生に聞く

とは言え、LINEはもともとプライベートの連絡手段として利用率を伸ばしてきたツールです。
「まったく連絡がないと不安になる…」という学生も多いですが、その反面「企業からの連絡が多すぎて、気が休まらない…」と本音を漏らす学生も少なくありません。
なぜなら、学生は企業から連絡があった場合「返信しないと印象がわるくなる…」と考えるからです。

ですが、学生に心理的な負担をかけてしまっては意味がありません。
これでは、人事担当者様と学生は良い関係を築けず、貴社が就職先の候補から脱落するのは目に見えています。

そのような事態を防ぐため、LINEを交換した直後に「何時ならLINEを見やすいか」「発信が多いと感じたらそれを素直に言って欲しい」。
「これは入社後の評価に影響しない」と人事担当者様から言明してあげると、学生は安心して発言できます。

4.現場との連携

内定者フォローは人事部が主導で進めると思われますが、学生が入社後、実際に働くのは各部署なので、現場にも情報を下ろしておくと、学生も各事業部もお互いの様子が分かるので、入社後「思ってたのと違う……」というミスマッチ。つまり早期離職を防げます。

その一環として、MOCHICA運営部では、以下のような施策をお客様におすすめしております。

【施策例】
人事担当者様と採用活動に携わる社員様の定例ミーティング
入社1〜2年目の若手社員との座談会(オンライン開催もあり)を開いてあげると、学生は自分がこれから歩むキャリアや、仕事の内容をイメージできる

定期的に歩留まりや内定者の施策、各事業から内定者に伝えて欲しいことを伝達しておけば、学生も入社に向けて学ぶべきことが明確になります。
それは、スムーズに貴社の社会的役割や実務を覚えるきっかけとなるでしょう。

また、入社前に座談会を開催してあげると学生は社内に顔見知りができます。
「自分で選んだ会社」とは言え、社員という大きな責任を伴うポジションに就くのは意識せずとも緊張するもの。
ましてや、新卒の1社目となればその緊張は、私たちキャリアを重ねたビジネスパーソンよりも何倍も大きいでしょう。

座談会で話した若手社員と、学生が同じ部署に配属され、メンターを務めるのが理想ですが、そうならなかったとしても、社内に顔見知りや悩みを言える人が増えるのは、学生にとってマイナスにはなりません。
上記のように「採用担当者様ベースの意見交換の場」あるいは「学生が率直に話せる場」を設けると、連携がスムーズになるだけでなく、学生の不安は消え内定辞退率が下がります。

内定者フォローの実例

人事担当者様がもっとも気になるのは「上記の施策でどのくらい効果が出いるか」でしょう。
これついては、文章でアレコレ書くよりも、実例をみていただいたほうが実情を把握しやすいと思いますので、以下、MOCHICA導入企業家のインタビューをご覧いただき、LINE連携型ATS導入前後の変化を感じていただけましたら幸いです。

1.日本生活協同組合連合会(COOP)様

「学生とフラットな関係を築きたい」。
企業は学生の本音を聞けず、学生は人事担当者に本音を言えず…「お互いにストレスを溜めてしまい、雇用のミスマッチを生んでしまう」と語るCOOPの河田様。

インタビューでは「メールなどで情報発信してもリアクションが少ないので、本当に響いているのかわかりづらい…」と課題を赤裸々に語って下さりました。

そんな現状を変えるべく、LINE連携型ATSの導入を決めたと言います。
その結果、学生とのやり取りが活発になり、選考前には学生から「役員面接の雰囲気って、どんな感じですか?」といった質問がくるように。

LINEでコミュニケーションを重ねたところ、メッセージの開封率も上がり、毎年10%あった選考後の辞退率も5.9%に改善したそうです。

COOP様の取り組みについては、以下にまとめておりますので、ご一読ください。

2.ジャパニアス株式会社様

電話・メールでは、学生と連絡が付きにくく、MOCHICA導入前から「LINEを使っていた」と話すジャパニアス株式会社の三浦様。

LINEの導入により、学生の返信速度は上がったものの、社内で誰がどの学生にどんなメッセージを送っているのか、不明瞭だったためMOCHICAの導入を決めたと言います。

【運営部より】
MOCHICAには、学生に送ったメッセージの履歴や、送信者様の名前が見える機能がございます。

これにより、上述の課題を解消。
また、MOCHICAには、1人ひとりの学生の選考状況に応じて、メッセージを送れる機能もありますので、彼(彼女)らの心情に合わせたフォローを安定してできるようになった、効果を語って下さりました。

ジャパニアス株式会社様が、MOCHICAを導入までの経緯と、実際に送っているコンテンツについては以下の記事で紹介していますので、導入やコンテンツを考えるときの参考にしてみてください。

3.株式会社ヤスナ設計工房様

説明会〜選考までの移行率。
いわゆる“歩留まり”を改善すべくLINE連携型ATSを探していた、と話す株式会社ヤスナ設計工房の山口様。

導入の決め手は、比較した「LINE連携型ATSの中で、MOCHICAの管理画面がいちばんシンプルで社内メンバーも使いやすいと思ったから」と言います。

MOCHICA導入により、内定数は前年比450%増。
内定承諾も166%改善し、大学訪問の際も、LINEの登録を促し、漏れなく選考に繋げるられたと効果を語ってくださいました。

歩留まりを改善できた要因として、「LINEの活用により、学生が1人で悩まなくて良い環境を作れた」と話す山口様。

学生にとって、新卒の就職先の選択はビジネスパーソンとしての第一歩です。
今、本記事を読んでいる人事担当者様も学校を卒業前に就職活動をされたと思いますが、「最初にどんな会社に入って、何の仕事をするか」は、その後のキャリアプランを選ぶとき、大きな影響を与えます。

それゆえ学生も慎重になり、不安にもなるのです。

MOCHICAの導入により学生1人ひとりの不安を受け止める体制が社内にでき、電話・メールでは難しかった、不安に寄り添ったフォローができるようになった、と言います。

ビジネスシーンにおいては、メールが積極的に活用され採用活動のとき、「フォーマルなツール」と認識されていますが、LINEはそうではありません。

完全に「フォーマル」とも言い切れないLINEのラフさが、株式会社ヤスナ設計工房様の歩留まりと内定承諾率の改善に大きく影響したのでしょう。

同社の取り組みやコンテンツの考え方については、以下の記事にて詳しく紹介しておりますので、ご一読ください。

4.株式会社日本ハウスホールディングス様

MOCHICA事業部によるデモ機体験会に参加し「運用のイメージが沸いたから、導入を決めた」と話す同社の今井様。

MOCHICA導入後、いちばん大きな変化は「学生の動きが分かるようになったこと」と言います。

商業用LINEアカウントの特徴の1つにリッチメニューがございますが、MOCHICAは、学生がどの項目をタップしたか、個別に分かるよう設計しました。

具体的には、1人の学生(Aくん)面接日程の選択ページを頻繁にタップしている場合、人事担当者様は「日程の変更を希望している可能性がある」と推察できるようになります。

その推察をもとに「次の選考は大丈夫かな?何か不安なことはある?」とLINEをしてみると、返信が増えた、と導入前後の変化を教えてくださいました。

これにより、面接の無断キャンセルと歩留まりが大幅に減ったそうです。
株式会社日本ハウスホールディングス様が実施した施策については、以下で紹介しておりますので、ご一読ください。

5.株式会社 三永様

採用業務に係るコンテンツづくりに時間を割けなかったため、MOCHICA併せて、弊社が展開しているメッセージ配信代行サービスも導入した同社。

その結果、学生から「〇〇の仕事紹介のコンテンツ見たいです!」といったリクエストが増加。コミュニケーションの活発化により、内定辞退も大幅に下がった、と効果を語ってくださいました。

スタンプ1つでコミュニケーションが成立する LINEは、企業様と学生の双方にとって「メッセージを送りやすいツール」と言えるでしょう。

さらに、今は「後でお返事します」「ゆっくりお返事させてください」といった敬語スタンプも増えています。
これにより、企業様・学生の双方が“既読スルー”せずに、時間のあるときにゆっくりとメッセージを返すことも可能になりました。

こうした、“コミュニケーションの取りやすさ”も内定辞退率の低下に大きく影響しているでしょう。
株式会社 三永様の取り組みと、配信コンテンツについては、以下に実例を挙げて紹介しておりますので、参考にしてみてください。

まとめ

学生が貴社を就職先に決めるのは社内の雰囲気がわかったとき、かつ、人事担当者様や各部署の社員様を信頼したときです。
「内定者フォロー=情報発信」 と考えられがちですが、コンテンツを見てもらわなければ、辞退の抑止にはつながりません。
内定者フォローに有効なのは、単なる情報発信ではなく、1人ひとりの希望に沿った情報発信です。

だからこそ、「コンテンツの配信を学生1人ひとりの都合に合わせる」「若手社員様との座談会を開く」といった施策が有効になります。

選考は、人事担当者様が学生を選ぶ立場でしたが、内定通知後はそれが逆になります。
学生に気を使いすぎる必要はありませんが、内定を出した以上は、彼(彼女)らを社員の1人として考え、可能な限り情報提供するほうが、信頼されやすくなります。

中には内定者に明かせない情報の開示を求められるケースもあるでしょう。
その場合は、社内で対応した事実を伝えるのが有効です。
情報提供に向けて動いた事実は、学生にとって志望度を下げる要因になりません。

そうした対応の積み重ねが信用に変わり、それが信頼関係の構築の構築。つまり、辞退の抑止へとつながります。

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学生に入社していただくために、採用担当者は学生にとって、不安を打ち明けやすい人になる必要があります。
企業への連絡の際、「粗相があったら、印象を損ねてしまう」と考える学生は少なくありません。
学生と良い関係を築くには、第一に「コミュニケーションのハードルを下げる」必要があります。

採用活動はメールや電話のみでも展開できますが、学生の利用率が高いLINEで日頃からコミュニケーションを取った方が、学生1人ひとりと良い関係を構築しやすくなります。
MOCHICAは、「企業様と学生を”も”っと、”ちか”くに」をコンセプト展開する採用管理システムです。
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