採用活動にLINEを導入・運用するときの注意点まとめ


事業や社内プロジェクトを評価する際、「エンゲージメント(顧客満足度)」が指標の1つになるかと思いますが、それは採用活動にも当てはまります。
「生活のため」と思って働く人よりも、「この会社で業績1位を取りたい」と願っている人の方が、高いパフォーマンスを見込めます。
仕事内容や評価、会社の雰囲気に満足していれば、入社後も長く活躍してくれるでしょう。
実際にNPO法人エンカレッジが20年卒の学生に内定承諾の決め手を尋ねたところ、「社員の人柄・雰囲気」が最多得票を獲得しています。
新卒学生に入社・定着を促すには「密なコミュニケーションが必須」と言えるでしょう。

学生と密なコミュニケーションを図るためには、「ツールの使い分け」が不可欠です。
厳密に言えば、社員の人柄や会社の雰囲気を伝えるだけならばメールでも十分ですが、就職活動中の学生はナビサイトなどから日々多くのメールを受信しているため、企業側がメッセージを送ってもそれらに紛れてしまう可能性があります。
ほかには、TwitterやInstagramを使う方法もありますが、これらは不特定多数の学生が閲覧できるため、密なコミュニケーションには不向きです。

学生とコミュニケーションを深めるためには、TwitterやInstagramのようにオープンな場所ではなく、ある程度閉ざされた空間でのやり取りが必要です。
東京工業大学が実施している「コミュニケーションツールに関するアンケート調査」によれば、2014年に71.4%を記録していた携帯メールの利用率が、2018年には20.6%まで降下。
それと入れ替わるように、LINEの利用率が98.7%まで上昇しています。
メールのような機能性に加え、スタンプなど以前にはなかった手軽さが話題となり、たった4年で「コミュニケーションの主流ツール」になりました。

学生の利用率が高く、メールのようなやり取り可能なため、LINEでは「密なコミュニケーションに向いているツール」と言えます。
実際のところ、当社が企業向けに実施したアンケートでは、2018年の時点で51.5%が「LINEへの移行を検討している」と回答。
企業も「個の結びつき」を重視している事実が明らかになっています。

本記事では、現在LINEアカウントの運用を検討している企業様に向けて「LINEを運用する際の注意点」をまとめていきます。

運用開始前の準備

LINEやTwitter・Instagramが普及した今、学生の情報を選ぶ能力は以前よりも高まっています。
つまり、単に採用情報を告知しても返信は見込めません。
運用を始めても成果が目に見えなければ、どこを目指して良いか分からず発信が滞りがちです。
学生と密なコミュニケーションを図るためには、第一に企業がLINEを無理なく続けられる体制を作る必要があります。

1.運用目的の明確化

学生と個別にコミュニケーションをとれるLINEで、Twitter・Instagramと同じ要領で、友だち(登録者)全員に同じメッセージを送っても「密な関係」は構築できません。
政府が就職活動のガイドラインを定めていますが、それに拘束力はなく、実際に就職活動を始める時期は1人ひとり異なります。
大学3年の6月からインターンシップを始める人もいれば、9月からインターンシップに参加する人もいます。
「インターンシップを終えた」と考えている学生に対して、案内を送ってもエントリーは期待できません。

学生は内定を得るまでに、「インターンシップ」「説明会」「選考」などの過程をたどります。
このため、単に「人材を集めたい」と見切り発車するのではなく、どのフェーズの学生にアプローチするかを明確にしておくと、メッセージを送るべき相手が明確になり、運用が滞りにくくなります。

2.アプローチする学生の明確化

アプローチする学生を明確にする際は「採用プロセスの細分化・分析」が有効です。
たとえば、ひとくちに「インターンシップに関係する学生」と言っても、それは大きく以下の3つに分類できます。

●インターンシップ未経験で応募先を探している学生
●すでに、数社でインターンシップを経験し、新たな応募先を学生
●自社のインターンシップを終えた学生

インターンシップを探している状況は同じですが、未経験の学生は会社の雰囲気が気になると思われます。
そのため、未経験の学生にアプローチする場合は、早い段階でオフィスの写真や日常風景を伝えるのが効果的です。

一方、すでにインターンシップを経験している学生は、自分に合う企業を見極めるために「同業他社との違い」を重視していると推察されます。
ですので、この場合はオフィスの写真にくわえて、実習内容の説明、自社で特に力を入れている点の説明があると、親切です。

また、限られた期間内で内定を得るべく、学生の多くは複数の選考を同時に受けています。
このため、インターンシップ終了後コミュニケーションをとらずにいると、学生の志望度が下がってしまう可能性も否定できません。
インターンシップを終えた学生には「いかがでしたか?」とひと声あったほうが良いでしょう。

各プロセスを細分化し、想定される学生を分析すると、「誰に送るか」を明確にできます。

3.情報共有のルール設定/採用目標・経過の共有

採用活動に関しては、人事が中心に動くと思いますが、入社後のマネジメントを担当するのは、各部署です。
運用の成果は、各部署にフィードバックしましょう。
実際のところ、LINE導入直後は社内プロセスが変わるため、コミュニケーションのミスが起こりがちです。
それを防ぐために、たとえば以下のようなルールを決めると良いでしょう。

●毎週火曜日、社内システム上に前週の運用実績を掲載
●月に2度、施策(コンテンツ)の立案・見直しを実施する

情報共有のルールが明確になっていれば、混乱は起こりません。
施策に現場サイドの意見が反映される環境を構築できれば、各部署の社員も主体的に「採用活動」を考えられます。

運用時に意識すべきこと

人事と各部署で目的やルールを共有したら、運用を始めましょう。
せっかく運用を始めても発信が滞ったり、学生にブロックされたりしたら、密なコミュニケーションは図れません。
社内で目標を共有したのと同様に、運営を担当する部署内でも「無理なくLINEを続けられる体制」を構築する必要があります。

1.アカウントの運用体制

無理のない体制づくりに不可欠なのが、「複数人での運用」です。
担当者を1人に限定してしまうと、その人が他のタスクに追われた場合、時間が割けず発信が止まってしまいます。
また、コンテンツを1人で考えていると、早い段階でネタがなくなりがちです。
人員が少ない場合、「最小限の人数で運用しよう」と考えるかもしれませんが、SNSはできる限り複数人で運用した方が、安定的な発信が見込めます。

2.コンテンツ内容を決める

複数人で運用を始めても、他業務を兼任している場合、発信が難しい日があるかもしれません。
発信の滞りを防ぐためには「曜日ごとにテーマを決める」のが有効です。
たとえば、インターンシップ未経験の学生にアプローチする場合は、以下のような内容が良いでしょう。

【投稿例:週3日投稿の場合】
●月曜日:オフィス紹介
●水曜日:社員(メンター役を中心に)紹介
●金曜日:日常紹介(お昼休みの様子など)
●※学生から問い合わせがあった場合は、別途対応する

投稿テーマをあらかじめ決めていれば、コンテンツに迷わなくなります。
また、スキマ時間に各曜日のテーマに沿った写真を撮影し、投稿文を後日考えるなど、工夫すると他業務への影響を最小限に留められます。

3.発信の頻度と時間を決める

学生の多くは、自分のスマートフォンでLINEを利用していると思われます。
企業が「個の結びつき」を重視していても、学生にとってLINEはあくまでプライベートの連絡手段です。
どんなに志望度が高い学生であっても、企業が昼夜問わずメッセージを送ってしまったら不快感を覚え、選考辞退される可能性があります。

早朝(始業前)や夜遅い時間(20:00以降)の連絡は控えるべきです。
連絡の頻度とコンテンツの内容については『【内定者フォロー】メンター制度のポイントと有効な連絡手段』にて紹介していますのでご一読ください。

4.担当者の名前を名乗る

学生にメッセージを送るときには必ず冒頭で名前を名乗ってください。
人事担当者は学生のLINEアカウントや名前を把握していますが、学生は送り手(企業側)の情報を知りません。
たとえ時間をかけてメッセージを書いても発信者の名前がなければ、学生の認識は「企業の人」のままです。

心理的な距離が縮まらなければ、学生からのリアクションも見込めません。
学生にとって社員の名前は、企業を身近に感じられる情報の1つです。
絶対にそうすべきというわけではありませんが、名乗ったほうが学生と関係を構築しやすくなります。

5.大きな主語を使わない

学生にメールを送るとき「みなさん」「学生さん」などの言い回しを使うかと思われます。
しかし、LINEの特徴は「学生と個別にコミュニケーションをとれる」ことです。

そのようなツールで、不特定多数に通用する言い回しが使われていると、学生は「一斉送信している」と感じるでしょう。
そう判断されてしまったら、学生との関係構築も危うくなってしまいます。
LINEにおいて、「みなさん」「学生さん」などを使うのは避けるべきです。

【インターンシップ参加者募集の例文】

採用活動の初期、企業側は人材を確保するために不特定多数の学生にアプローチしなければなりません。
このため「みなさん」「学生さん」を使わないと考えると、書き出しに悩んでしまうかと思われます。

結論から言うと、LINEで個人のトークにメッセージをに送る場合、主語は不要です。
主語をつけようと思えば「あなた宛に」などの言い回しもできますが、上述のとおり、学生は送信者の情報を知りません。
知らない人に「あなた」と言われたら、良い印象には写らないでしょう。
文脈がしっかりしていれば、主語がなくとも情報は伝わるものです。

主語を省くことで、企業は不特定多数の学生に訴求しつつ、学生1人ひとりにもアプローチできます。
だたし、問い合わせに対する返信など、相手の名前が明確になっている場合には、冒頭に『●●さん、こんにちは』と学生の名前を明記してください。

余談ですがMOCHICAでは、個人名の自動挿入が可能です。
MOCHICA上で投稿を作成すれば、学生には自分の名前が入ったLINEが届くため、より高い訴求効果が見込めます。

6.文章の差別化には「代弁」が有効

採用活動は、企業主導になりがちですが、一方的に情報を流すだけでは学生に選ばれません。
また、それではTwitterやInstagramと様変わりしないため、ブロックされてしまうでしょう。

本来、情報を得るだけならTwitter・Instagramをフォローするだけで十分にもかかわらず、LINEまでフォローしている学生の志望度は高いと言えます。
とは言え、働いた経験のない学生はビジネスパーソンとのコミュニケーションを控え、かなり緊張していると推察されます。
そんな学生と距離を縮めるために意識していただきたいのが「代弁と問いかけ」です。

たとえば、インターンシップの参加者を募集する場合は、「お越しください」と書くだけで意味は伝わりますが、これだけではTwitter・Instagramと変わらず、良い反応を得られない可能性があります。
そこで、上述の例文では「スーツを着ていると誰だって無意識のうちにかしこまってしまうもの」と学生の心境に言及。
その後、説明会の特徴へと話しを展開しています。

通常、選考の案内にこのような一文はありません。
就職活動のセミナーなどで、ビジネスメールの定型文を練習した学生は「堅い文章が届く」と考え、より緊張していると推察されます。
そんな中、このようなメッセージが届けば学生は「企業の人でもそうなんだ」と、ビジネスパーソンを少し身近に感じるでしょう。

アプローチしたい学生の不安点を整理し、文中に盛り込むとTwitterやInstagramと差別化でき、学生と関係を構築しやすくなります。
文章の作り方については、『【採用プロセス別】LINE例文。インターン募集、内定者フォローなど』にて紹介していますのでご一読ください。

評価

運用を始めたものの、評価がないがしろになり、成果が出る前に運用を止めてしまうケースもゼロではありません。
現状の施策がどの段階にあるかを見極めるためにも、運用を始めたら定期的に「評価」を行い、社内で共有しましょう。

LINE(MOCHICA)の管理画面からアクセス数を確認できます。
事前に決めたルールに沿って社内で評価を行ってください。

評価の際もっとも避けるべきなのが「数字に左右されてしまうこと」です。
同じ内容を投稿した場合でも、投稿の時期・時間によってアクセス数が異なるケースがあります。

たとえば、授業やアルバイトの合間にLINEを熟読する学生はいません。
学生がスマートフォンを見るのは、時間ができたときです。
日中あまりアクセス数がなかった投稿も、時間にゆとりのある夜ならばアクセスが集まる可能性があります。
つまり、アクセス数がない=ダメな投稿とは限りません。

数字だけを意識していると、施策の状況を見誤りがちです。
そのような状況に陥らないために、さまざまな可能性を考えながら評価し、次の施策を検討しましょう。

まとめ

LINEは学生に馴染みがあるため、電話やメールよりも活発なコミュニケーションを見込めるツールです。
そのため、企業側にしてみれば「成果を得やすいイメージ」があるかもしれません。
しかし、記事冒頭のアンケートにありましたが、LINEは「プライベートの連絡手段」です。
ゆえに、一方的にイベントや採用情報を送るだけでは、Twitter・Instagramと変わらずブロックされてしまいます。

LINEの特徴は、「個別コミュニケーションの取りやすさ」にあります。
ひとくちに、就活生と言っても、内定までの道のりは人それぞれです。
だからこそ企業側は、はじめに時間をかけてアプローチすべき学生像を明確にした方が、導入後、学生と関係を構築しやすくなります。

導入を検討されている企業様は、まずその辺りのビジョンを社内で共有してみてください。
MOCHICAでは、専任のスタッフが付き、アカウントの導入やメッセージの作成をサポートさせていただきます。
運営部では、導入事例紹介イベント実機体験イベントを定期的に開催しておりますので、ご参加・お問い合わせいただければと思います。