モチベーション低下防止に有効な「インターン後のフォロー」とは


就職情報会社「マイナビ」の調査によると、21年卒のうち約8割が「インターンシップに参加する」と回答。
新卒採用において、昨今はインターンシップでの接触がスタンダードになっています。
しかしながら、企業が学生に入社を強要する権利はありません。

就職活動(採用活動)のルールは、政府によって定められています。
ルールの期限内に「内定」を得るべく、複数の企業にアプローチしながら、就職活動を進める学生がほとんどです。
就職活動中の学生は不特定多数の企業と接触が可能なため、目移りし自社への志望度が落ちてしまうケースが見受けられます。

せっかくインターンシップを開催しても、本選考までに辞退されてしまっては、「採用」に至りません。
裏を返せば、インターンシップ後~選考直前まで学生と良好な関係を構築できれば、学生にとって「就職先の最有力候補」になるでしょう。

そのために不可欠なのが「インターンシップ後のフォロー」です。
とは言え、企業にとってインターンシップ経験者は内定者ではありません。
だからこそ『今後、不採用にする可能性がある人に、どうアプローチすべきか…』と悩むケースもあるかと思われます。
本記事では「インターン後のフォローの進め方」をまとめます。

具体例から考える「もっとも効果的なフォローの方法」とは?

インターンシップを終えた学生の多くは、「どの会社に入るのが自分にとって正解なのか」と、迷うものです。
迷う原因として「学生が就職先を選べる状況にあること」「業界の仕組みや仕事内容を具体的にイメージ出来ていないこと」が考えられます。
良い関係を構築するためには、第一に学生の不安点を推察し、その解消につながる情報を届けなければなりません。

1.フォローの具体例

具体的には、以下のような方法が挙げられます。

(1)メッセージ
    ●LINE
    ●メール
(2)社内イベントに招待
    ●社内交流会に招待する
    ●インターンシップ経験者限定の座談会
    ●各種イベントの動画配信

自分にとっての正解を見つけるためのもっともスムーズな方法は「企業比較」です。
インターンシップを終えた学生の多くは、迷いながらインターンシップに行った企業を無意識のうちに比較しているでしょう。
このとき、企業側が何もアクションを起こさなければ「希望に近い業務を見せてくれた場所」との認識に留まってしまう可能性があります。

学生にそのようなイメージをもたれてしまっては「就職先の候補」から脱落し、本選考へのエントリーは期待できません。
ですが、インターンシップの直後からコミュニケーションを取り、仕事内容や社内の様子を確認できれば、学生の不安は少しずつ和らぐでしょう。

2.「一律のフォロー」は逆効果

ひとくちに「就活生」と言っても、インターンシップに参加した経緯は1人ひとり異なります。
業界研究を目的に参加した学生もいれば、すでに志望業界・企業を絞り込んで参加した学生もいるでしょう。

たとえば、業界研究を目的に参加した学生に対し、来社を促すようなメッセージを送っても効果は見込めません。
迷っている状況の中、企業からそのようなメッセージが届けば「一方的だ」と感じ、志望度が下がってしまうでしょう。
志望度の高い学生であれば「励み」に感じられるメッセージも、そうでない学生には「押し付け」と映ります。
本選考につなげるためには、学生1人ひとりの状況に応じてフォローのやり方を変えなければなりません。

フォローの進め方

学生と良い関係を構築するには、1人ひとりの状況に応じ、メッセージの内容や頻度を変える必要があります。
まずは、学生の状況や自社への志望度を探るため、メッセージを送ってみましょう。

1.志望度の推察

学生の多くは就職活動用のアドレスで企業と連絡を取っています。
このため、メールでのコミュニケーションが長期化すると、ナビサイトや他企業のメッセージに埋もれてしまい、送ったものが読まれない可能性も否定できません。
メッセージが読まれなければ、学生と良い関係を構築するのは困難です。
はじめはメールでも構いませんが、できるだけ早く学生の利用頻度が高いLINEに移行した方が良でしょう。

初回のメッセージは何を送っても構いませんが、単なる挨拶では学生が返信に困ってしまいます。
企業側からの伝達事項がなければ、インターンシップの感想を聞いてみるのが良いでしょう。

挨拶は誰が相手でも大きく変化しませんが、「インターンシップの感想」は十人十色です。
具体的に書く学生もいれば、どこの企業にも応用できる内容に留める学生もいるでしょう。
インターンシップを終えた学生にとって、感想は返信しやすい質問であり、企業にとっては、学生1人ひとりの志望度を図る指標になるものです。

2.返信内容と速度に基づいて、今後送るメッセージの頻度を変える

上述のとおり、全員に同じメッセージを送っても効果は期待できません。
しかし、実際のところ全員に1通ずつメッセージを送るのは困難かと思われます。
そこで、次に行うのが「学生のグループ化」です。
返信の内容と速度から以下の3パターンに大別できます。

(1)返信が速く、内容も具体的だった人

このような人は、志望度が高く採用担当者とのコミュニケーションに前向きとみられます。
このため、企業側の発信頻度も高くて構いません。
とは言え、メッセージが多すぎると、しつこく感じさせてしまう可能性もあるので、インターンシップ開始直後は「月4回」程度が良いでしょう。

【発信内容の例】
   ●学生のモチベーション確認(月2回)
   ●社内の様子を共有(月2回)

(2)返信は遅いが、内容は具体的だった人

この場合、学生が感想を言語化するのに時間を要したと推察されます。
内容が具体的であれば、志望度は比較的高いと思われますが、企業側が頻繁にメッセージを送りすぎると、返信を億劫に感じる可能性があります。
そのため、発信頻度は「月2回程度」が良いでしょう。

【発信内容の例】
●学生のモチベーション確認(月1回)
●社内の様子を共有(月1回)

(3)返信は速いが、内容に具体性がなかった人/返信がなかった人

このような人は、業界研究を目的にインターンシップに参加していると思われます。
返信に時間を要しておらず、インターンシップ終了時点での志望度は、それほど高くないでしょう。

ただし、学生がブロックしない限りは今後応募してくる可能性もゼロとは言い切れません。
学生が自社を「就職先の候補」に加えたとき、コンタクトを取りやすいよう、定期的にメッセージを送りましょう。
メッセージが極端に少ないと、学生はコミュニケーションを躊躇してしまいます。
発信頻度は「月2回程度」が良いでしょう。

【発信内容の例】
●学生のモチベーション確認(月1回)
●社内の様子を共有(月1回)

3.メッセージを送る

「学生のグループ化」を終えたら、それに沿ってメッセージを送ります。

(1)「志望度が高い学生」へのメッセージ例

志望度の高い学生は、「企業の内部情報」に対し、関心が高いと推察されます。
勉強会は、社員にとって行事の1つに過ぎませんが、関心の高い学生にとっては、企業を把握する上で貴重な情報源の1つです。
1対1のコミュニケーションに向いているLINEで、人事担当者から内部情報を伝えられれば、学生は「自分だけに教えてくれた」と感じるでしょう。
ホームページに載せていない情報を、人事担当者が伝えることは、学生のモチベーションアップにも大きく影響します。

ただし、志望職種と無関係の社内情報を教えてしまうといくらどんなに志望度の高い学生であっても、「うっとうしい」と認識される可能性があります。
LINEでは、学生の志望職種と関連する情報だけを伝えるべきです。

(2)「志望度が低い学生」へのメッセージ例

志望度が低い学生は、自社を「業界研究を行うための場所」として捉えている、と推察されます。
そんな学生に対して、社内情報を共有したら「重い…」と感じブロックされるのが関の山です。

例では、そのような事態を避けるために『今は、自分に合う企業を見つけるべく、さまざまな企業のインターンシップに参加されていると思う』と、学生の状況を推察。
その上で、『自社のLINEを企業選びの参考にしてほしい』と展開しています。

コミュニケーションの初期段階で、学生さんの志望度や就職活動の方向性を否定してしまっては、良好な関係を築けません。
学生の状況を否定も肯定もせず、自社アカウントの方針を伝えれば今後、発信する情報を見てもらえる可能性も高まります
企業側がそのようなスタンスで情報発信を続けていれば、志望度の低い学生も連絡しやすいでしょう。

4.志望度を断定する

インターンシップの感想を聞いてから、1ヵ月メッセージを送ってみて、返信速度と内容に変化がなければ、志望度を断定して構いません。
以降は、「志望度が低い学生」へのメッセージ送信を継続しつつ、「志望度が高い学生」とのコミュニケーションに注力しましょう。

5.志望度の高い学生に「来社」を促す

選考を控えた学生がもっとも気になるのは「自分が企業の評価基準に合致しているか否か」です。
企業からみれば、評価基準を伝えるわけにはいきませんが、それは社内イベントへのを促すことで間接的に伝えられます。
イベントを通じて、会社の雰囲気や選考の評価基準が垣間見えれば、学生は自社へ前向きになるでしょう。

とは言え、インターンシップ経験者のフォローに軸をおいたイベントを開催している企業様は少ないかと思われます。
その場合に有効なのが「コンテンツの配信」です。
具体的には、以下のような方法が挙げられます。

(1)インタビュー記事

たとえば、面接官の経歴や性格が分かれば、学生は選考をイメージしやすくなります。
ナビサイトの会社紹介を更新したり、社員や役員が外部メディアからインタビューを受けたりした場合は、その旨を伝えてあげると親切です。

インタビュー記事の更新を知らせるとき、毎回「更新しました」では、学生に読まれません。
なぜなら、同じような言い回しを多用すると「手を抜いている」と判断できるからです。
学生にそのような印象をもたれてしまっては、どんなに有益な情報が詰まったインタビューであっても”既読スルー”されるでしょう。

そこで、例文ではメッセージを共有した意図を説明しています。
文中に「採用の考え方に触れる」との一文があれば、志望度の高い学生はインタビュー記事を読むでしょう。
意図の説明は、学生の満足度を高めることにつながります。

(2)ダイジェスト動画

自分の目で見る情報ほど確実なものはありません。
志望職種に関連した社内イベントの動画があれば、学生は「内部情報を教えてくれた」と感じるでしょう。
同業他社が共有しない可能性が高い情報を共有することは、学生のモチベーションアップにつながります。

「様子を伝える」という点ではライブ配信がもっとも効果的ですが、学生に開示できない情報もあるかと思われます。
ダイジェスト版は見せられない情報をあらかじめカットできるため、社内の守秘義務を厳守しつつ、学生へのアプローチが可能です。

社内情報への関心が高い学生であっても、難しい話が長く続けば視聴を止めてしまいます。
ダイジェスト動画を送るときには、LINE上でその分数を知らせてあげると親切です。

また、せっかく動画を作っても、不明点があれば学生の満足度は下がってしまいます。
文章の最後に「不明点があれば、どんな些細なことでも」など、”次のコミュニケーションにつながる一文”を添えましょう。

採用担当者とのコミュニケーションの際、失礼があれば自分の印象を損ねてしまいます。
それゆえ、返信をち躊躇する学生は少なくありません。
企業側があらかじめ「どんなに些細な疑問でも構わない」と言明すれば、学生にとってコミュニケーションのハードルが下がり、活発なやり取りが起こりやすくなります。

6.本選考~入社まではフォローを強化する

学生の多くは、複数の選考を同時期に受けています。
本選考が始まると、学生は短期間に何回も、何十回も志望動機を答えなければなりません。
その中で、自分の企業選びの軸が分からなくなってしまう学生が多く見受けられます。
企業の採用担当者と話す機会が増えるゆえに、本選考は学生にとってモチベーションが下落しやすい時期の1つです。

進路選択に迷っている学生に内定を出しても、数ヵ月後に辞退される可能性があります。
そのような事態を防ぐために、本選考以降は、フォローの回数を増やしましょう。
具体的な施策については、以下にまとめていますのでご一読ください。

まとめ

記事中にも書きましたが、ひとくちに「就活生」と言っても、その状況は1人ひとり異なります。
企業側がメッセージ送っても、学生が「自分だけに送っている」と思えなければ、良い関係の構築は見込めません。

本選考の際、学生に自社を「就職先の1つ」と認識してもらうためには、「個々の状況に応じたメッセージの書き換え」が不可欠です。
そのために、「志望度の推察」と「グループ化」の工程が重要になります。

また、メッセージを作成する際は、大勢を連想させる「みなさん」、初対面の人に使うことが多い「あなた」といった言い回しを使うべきではありません。
1対1でコミュニケーションを取っている場面において、このような単語があれば、学生は「自分だけに送っている」と感じられず、モチベーションを落としてしまう可能性があります。
些細ですが、そういった点を考慮しながらアプローチを続けていけば、学生は企業に親近感を覚え、前向きに入社を検討するでしょう。

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