承諾後の辞退を防ぐ!学生が入社したくなる内定者懇親会のプログラム実例


就活ルールが「3月説明会解禁、6月選考解禁、10月内定式」に固定された2016年以降、新卒の採用市場は、学生優位の「売り手市場」になっています。
リーマンショックの影響を受け、2010年代前半は企業様の多くが採用数の縮小を余儀なくされたと思いますが、今やその影はどこにもありません。

今は1人の学生が複数企業から内定を得るのも珍しくないほど、新卒者に対する採用意欲は高まっています。
そんな市場動向を受けて、人事担当者様の悩みは「学生をいかにして自社へ惹きつけるか」でしょう。
学生を惹きつけるために有効な施策として、MOCHIAをご利用いただいている企業様にお伝えしているのが内定者懇親会です。

本記事では「学生を自社へ惹きつけるために、内定者懇親会で人事担当者様がすべきこと」「学生の満足度を高めるプログラムの作り方」をまとめていきます。

既存の懇親会では「内定辞退」を防ぎきれない

インターネットで「内定者懇親会」と検索すると食事会、テレビゲームなどを使った交流会など、さまざまなアイディアがまとめられています。
このようなアイディアは「内定者同士の結びつきを強める」「社員の人柄を知り、会社に対して親近感をもってもらう」といった効果が望めますが、これらの施策だけでは、学生の内定辞退は防ぎきれません。

なぜなら上述のような施策だけでは、内定者が「本当にここで働くんだ」と内定を得た実感を持てないからです。

内定者が貴社を「就職先」として意識するのは、社員の人柄と貴社の経営課題に触れたとき。
つまり、貴社のビジネスモデルを理解し、経営課題など社員しか知り得ない情報を見聞きしたとき。
さらに踏み込んで言えば、経営課題の解消や事業拡大に必要な業務を『おもしろそう』と感じたときに彼(彼女)らの心は初めて、内定承諾へと動くのです。

学生が「おもしろい」と感じるプログラムの考え方

1.開催時期

10月1日は内定式の開催日です。
企業様の中には業務の効率化を重視して、内定式と懇親会を同時に開催するケースが見受けられますが、率直に言ってこの方法はおすすめできません。
内定式で学生がもらうのは「内定通知書」1枚のみ。学生は内定を得た事実を目の当たりにし、ホッとしますが、この時点で貴社を「就職先」と考えているのは、志望度の高い人だけです。

つまり、内定式当日に開催してしまうと「貴社に就職すべきかどうか…」と迷う学生を逃す可能性があります。
このような事態を防ぐため、内定式と懇親会は別日で開催しましょう。
内定式当日、学生に懇親会を開催したい旨を伝え、彼(彼女)らと相談しながら日程を決めてください。

2.開催方法

コロナ禍の中、人事担当者様は「WEB」か「対面」の2択で迷われると思います。
WEB形式ならば、学生は会社まで彼(彼女)らにとっては圧倒的に参加しやすくなります。
一方で、対面形式での開催ならばオフィスの様子を見てもらえるため、学生にとっては「入社後の業務をイメージしやすい」とのメリットがあります。

また、内定者懇親会はその名の通り「内定者同士が交流を深めるために実施する会」です。
会の目的を考えても、WEBより対面のほうが高い効果が見込めます。
とは言え実際のところ、開催方法は新型コロナウイルスの感染者数によって、変化すると思われますので、本記事では「対面開催」と「WEB開催」両方のプラグラムの考え方をまとめていきます。

3.具体的なプログラム

(1)プログラムの例

「内定者同士のつながりもつながりを深める」という目的を果たすために、MOCHICAご利用企業様におすすめしているのは食事会です。

①食事会
「飲みニケーション」とまではいきませんが、同じテーブルを囲んで社員と話すと、内定者同士、または内定者と社員がつながる最初のキッカケとして食事会は有効です。
ただし対面で参加する学生とオンラインで参加する学生で食べるものが違ってしまうと、”目に見えない温度差”が生まれてしまい、双方がうまくつながれないケースがあります。

そうならないよう内定者には参加方法に関わらず、貴社から食べ物・飲みものを支給。
同じものを食べたり、飲んだりすると”見えない温度差”は生じません。
それに加えて、オンラインで参加する学生も社内の雰囲気が分かるよう、社内の会議室で実施するのが良いでしょう。

だだし、ビジネスマナーに慣れていない学生は「先輩社員の飲みものは、いつ注ぎに行くべきなのか」「飲みものや食べ物を切らせてしまったら印象を損ねてしまうのではないか…」と人事担当者様や社員様にそんなつもりがなくても学生はあれこれ考えがちです。

学生を疲れさせてしまっては、良い印象が残りません。

「接待すべき」とは言いませんが、学生1人ひとりにとって良い印象で懇親会を終えなければ、彼(彼女)らの志望度は下がり、それは内定承諾後であっても「辞退」を考える要因になります。
学生に貴社の辞退を考えさせないため、開始前にモデレーターから「気を使って、飲みものを次に来る必要はない」と、ひとことあると親切です。
最初に、社員様からこのひとことがあるかないかで、学生の満足度が変わってきます

②キャリアプランを伝える
内定を得たものの配属先を通達されていないため「入社後、なんの仕事をするか」をイメージできていない学生は少なくありません。

懇親会に貴社のビジネスモデルや仕事内容を理解している入社3〜5年程度の若い社員に、入社直後の仕事や、今まで歩んだキャリアを話してもらうと、学生は「自身が貴社でやるべき仕事」や「入社後に選択できるキャリア」をイメージしやすくなります。

各部署から参加する社員様にとって、正直、懇親会は実務に関係ないイベントです。
しかし、内定者は「自分がどんな人と働くのか」、また「貴社で何の仕事をするのか」を気にかけています。

率直に言ってしまえば、社員が懇親会で「どんな態度で、何の話をするか」によって学生の志望度が決まる、と言っても過言ではありません。
懇親会で学生が「この人(社員)とは合わなそうだ…」と感じれば、彼(彼女)らは「内定承諾後に申し訳ない…」と思いつつも貴社の内定を辞退します。

できるだけ多くの若手社員様が心よく参加できるよう、また、各部署が実務に影響が出ない体制をつくれるよう、社内で早めに通知しましょう。

③グループワーク
内定者同士のつながりもつながりを深めるためにグループワークも有効です。
具体的には、学生がビジネスマナーを気にしないで済むグループワーク(自己紹介やジェンガ、ツイスターなど)が良いでしょう。
※ツイスターなど、スポーツ系のプログラムを実施する場合には、「当日はジャージで!女子学生はスカート厳禁」と事前に注意事項を案内してあげてくださいね!

(2)学生の満足度を高めるための工夫

学生の多くは企業様から、「内定」を得て安心していますが、この時点では他の内定者の顔も名前も知りません。
そのため、懇親会と言ってもかなりに緊張しています。

「グループワーク」と言うと、学生に進行を委ねようと考える人事担当者様が多いかと思われますが、それでは選考時のグループワークと変わらず、彼(彼女)らの緊張はほぐれません。

学生の緊張をほぐすためにやっていただきたいのが、「グループの中に若手社員を入れる」という方法です。
社員がモデレーターを務めれば、学生は進行について一切考える必要がないので、話すことだけに集中できます。
具体的には、貴社の仕事内容や社会における役割を理解している入社後3〜4年目の社員が各グループに入るのが良いでしょう。

1グループあたりの人数が多すぎると、発言の機会が少ない学生が出てきてしまい懇親会の満足度が下がります。
満足度の低下を防ぐため1グループあたり「モデレーターの社員様を入れて5人(モデレターは1人で4人の学生を見る計算)に留めるべきです。

学生に限らず、人は初めての場所に行ったとき、安心したい一心から仲間を探そうとします。
それゆえ、最初は選考でいっしょになった人。つまり「顔見知り」を探すのです。
人事担当者様がそこを意識してグループ分けできるのがベストですが、人事担当者様の多くが採用以外の業務も兼任しているため、そこまでの余裕がないのが実情でしょう。

このため、グループ内に各部署の各部署の若手入れ、学生にとって社員を顔も知りにするのです。
懇親会のとき、モデレーターが学生全員に発言の機会を与え、社員が「学生にとって話しやすい存在」になれば、彼(彼女)らの志望度も高まり、内定承諾後の事態を防げます。

④企業研究(学生に課題提出を求める)
具体的な実務やビジネスマナーについては、入社後に社員研修やOJTで教育されると思われますが、内定者が早い段階で貴社のビジネスモデルを理解していたほうが、入社後スムーズな業務の遂行が見込めます。

その考えのもと、MOCHICAの運営母体であるネオキャリアでは、内定者に人材業界や弊社で実施している事業への理解を促すため、学生に企業研究課題を課し、その結果を「1人10ページ以内」を目安に、スライドにまとめてもらっています。
提出課題は以下の通りです。

【提出課題の一例】
(1)業界への理解促
●自社事業における各部署の役割および、社員の仕事と利益が発生するする仕組み
(2)保育士の人材紹介事業などへの理解促進
●少子高齢社会を迎えた今、これから保育領域に求められることと今後の課題

課題は弊社が内定者に課す、課題の一例です。
弊社は人材事業を1つの柱にしておりますので、内定者に上記のような課題を提示していますが、課題は貴社の事業内容に合わせて変えていただいて構いません。
ただ「内定者」とは言え、相手は界や事業への理解が浅い学生です。
キャリアを積んだ社員からみれば「分かってないな…」と感じる場面もあるでしょう。
社員がスライドの改善点を指摘しても、「どこが、なぜダメなのか」を分かっていない学生が多く見受けられます。

先述のとおり、内定を得た学生が求めているのは、実務的な情報と業務に役立つ知識です。
それを教えてあげなければ、学生の志望度は下がり、彼(彼女)らの気持ちは、あっという間に他社へ流れてしまいます。

そのような事態を防ぐため、弊社では学生1人につき指導役となるメンターを配置。
メンターが学生の作ったプレゼン資料を見て改善点があれば「どの部分がなぜダメで、どうすれば実務で使える資料になるのか」をフィードバック。
そのときに、合わせて弊社で行っている事業について、間違いや認識の違いがあれば、そこを改めて詳しく説明しています。

メンターがいると、学生は貴社への事業への理解を深めやすくなるだけでなく、プレゼン資料の作り方など、入社後に役立つノウハウも学べます。
メンターは学生と顔見知りになった懇親会でモデレーターを務めた社員が担うのが最適ですが、業務が立て込んで人員の余裕がない場合は、他の社員でも構いません。
ただ、その場合は学生が必要以上に緊張してしまわないよう、懇親会のときに挨拶だけでも済ませておくと良いでしょう。
メンターの選び方や役割については、以下にまとめていますので参考にしてみてください。

(3)プログラムの進行順と実施時の注意点

ここまで懇親会について書いてきましたが、説明も多く懇親会の内容をイメージしにくい面もあったかと思います。
以下に、プログラムの内容をまとめておきますので開催時にお役立てください。

2.入社の動機や今の仕事、これまで歩んできたキャリア、部署の様子について話す
●学生が質問しやすいよう、話し始める前に「質問があったら、その都度話をとめてくださいね!」と伝えておく
●部署の雰囲気や繁忙期などは正直に伝える
●ここで話した内容と人事や広報担当者様が中心に発信しているTwitterやInstagramの内容に乖離があると、学生が無事に入社しても「人事に騙された…」と、早期離職の原因になってしまうので注意!!
●時間に余裕がある場合は、モデレーターを変え、学生にさまざまな社員(所属部署)の話を聞かせるのも有効

3.グループワーク
●前述(モデレーター)の話に対する質疑応答のほか、ジェンガやツイスターなどのミニゲームをおこなうのも有効

4.課題提示
●企業研究課題を提示。2〜3週間を目安に課題を提出してもらい、学生の習熟度を図りつつ、提出されたスライドにフィードバックしていく

5.最後に今後の連絡手段を聞く
●内定者同士がコミュニケーションをとりやすいよう、内定者同士をつなぐ
東京工科大学が実施した調査によればによれば、LINEの利用率がもっとも高くなっているが、LINEをプライベートの連絡手段と考え「就職活動には使いたくない」と考える学生もいると推察される
●このため、連絡手段は学生1人ひとりに相談のうえ、決めてもらう
●このとき、全員がLINEを選択したら、LINEでグループをつくる
●連絡手段がLINEやメールなど、複数のツールに分散した場合は学生たちに相談してもらい、ツールを決め、内定者同士をつなぐ
●このとき、モデレーターを務めた社員から「課題で分からないことがあったら、グループで相談してもOK」と伝えると、彼(彼女)らはコミュニケーションを取りやすくなる
●人事担当者様とメンターの社員様が入ると、学生が本音を言えなくなる可能性があるので、人事担当者様とメンターの社員様はグループに入らない

懇親会終了後の人事担当者様の動き

貴社の懇親会に参加した学生の中には、複数企業から内定を得ている学生もいると推察されます。
貴社を第一志望に考えている学生は問題なく入社してくれるでしょうが、貴社を第二志望以下、いわゆる”保険”として考えている学生には、企業様側からアプローチしなければ内定承諾後であっても、辞退されるケースは少なくありません。
学生から無事に「入社」の返事をいただくためには、人事担当者様も彼(彼女)らと良好な関係をつくる必要があります。

その第1歩としてやっていただきたいのが、学生にお礼を伝えること。
懇親会の終わりに、各部署の社員様からお礼を伝えると思われますが、人事担当者様からも一声あると親切です。

株式会社学情が22年卒の学生に実施した調査によれば、彼(彼女)らが就職活動で使いたいツールは「LINE」と「メール」に分かれています。
そのため、本記事においても「LINE」と「メール」の例文を用意しました。
その上で、それぞれの文章を書く上で気をつけていただきたいことをまとめていきます。

(1)参加のお礼を伝える

まずは、LINEの例文から見ていきましょう。
①LINEの例文から

必ずやっていただきたいのが、文頭に「□□さん」と学生の個人名を入れること。
送る文章は、全員同じで構いませんが、個人名が入っていないと人事担当者にそんなつもりはなくとも『コピペして全員に同じ文章を送っているんだろう』と感じる学生は少なくありません。

人事担当者様は業務において、さまざな企業から商品PRのダイレクトメールが届き「開封するのも嫌…」と感じた経験があるかと思われますが、学生の心情も同じです。
「全員に同じ文章を送っている」とほんの少しでも感じた瞬間、彼(彼女)らの心は貴社からあっという間に離れてしまいます。
このような事態を防ぐため。文頭には学生の個人名を入れてください。

【MOCHICA運営部より】
MOCHICAでは、文頭や文中に自動で学生1人ひとりの個人名を入れられます。

①LINEを使った文章の作り方

まず「弊社の内定者懇親会に参加してくださり、ありがとうございました」と伝えます。
ただ、人事担当者様や各部署の社員様が時間をかけて準備しても、内定者全員が満足する懇親会にできたかは彼(彼女)ら1人ひとりにしか分かりません。.

もしかしたら「その場の流れを断ち切りたくない」と考え発言を控えた学生がいるかもしれないですし、「時間の都合上、質問できなかった…」とモヤモヤした気持ちをかかえたまま懇親会を終えた学生もいる可能性があります。
その可能性を考慮してお礼に次に「聞きたいことは全部聞けましたか?」と確認。

その上で、もし「仕事内容についてもっと詳しく知りたい」「入社前に長期インターンをやりたい」などご希望がございましたら、私から●●や各部署の責任者に申し伝え、可能な限り実施できるよう、調整しますので遠慮なくおっしゃってくださいね、と展開しています。

実際のところ、インターンシップを開催できるかは、その時の貴社の採用状況や各部署の体制によって決まると思いますが、人事担当者様が学生のために動いた事実は、彼(彼女)らにとって貴社の内定を辞退する要因にはなりません。
インターンシップの開催が難しい場合は、15分でも10分でも「学生とモデレーターzoomで話す機会を作る」という施策も有効です。

これに加えて、メッセージを書くときに意識して欲しいのが学生に貴社への入社を絶対に急かさないこと。
インターンシップや選考に携わってきた人事担当者様ならば誰もが「必ず入社して欲しい」と思うでしょう。
しかし、内定者フォローにおいて、人事担当者様が入社をせまってしまったら、学生に「パワハラを受けた…」と感じさせてしまいます。
これでは、内定者懇親会も水の泡。学生の心は貴社から遠のいてしまう、と言わざるを得ません。

課題提出で、彼(彼女)らとはまた会います。
人事担当者様側から「待ちますし、インターンシップやモデレーターとの会話など、決断に必要なことは何でもします」と言われれば、学生は自分の進むべき道を安心して選べます。

懇親会を終えたから内定者全員が貴社へ入社するとは言い切れないのが、新卒の採用市場です。
人事担当者様にとっては「早く採用活動に区切りをつけて安心したい」のが本音だと思います。
そのお気持ちは私たちMOCHICAサポートスタッフも痛いほどわかりますが、ここは焦らず”待ちの姿勢”を明確に示したほうが、人事担当者様は学生にとって、悩みや不安を打ち明けやすい存在へと少しずつ変わってき、入社に前向きな返事をもらいやすくなります。

②メールの例文

メールを書くときに気をつけていただきたいのが「件名」です。
学生は、マイナビやリクナビに登録し、日々多くの企業からメールを受け取っています。
件名は『【株式会社○○】内定者懇親会のお礼 【人事部△△です】』と、書くのが一般的かと思いますが、会社名を先に持ってくると、ナビサイトから届いたメールに紛れ込んでしまい、学生に開封されない可能性が考えられます

メールを開いてもらわなければ学生と良好な関係は築けません。
そこで少しでも学生に開封されやすいよう『【人事部△△です】内定者懇親会のお礼【株式会社〇〇】』とご担当者様の名前を件名の先頭に持ってきています。

②メールを使った文章の作り方

本文の内容については、LINEと同じで構いませんが、変えていただきたいのは「文頭の挨拶」と「絵文字の量」です。
LINEには、最初からスタンプや絵文字が実装されていますが、メールにそれらの機能はありません。
にも関わらず、親近会を出そうとして絵文字を使ってしまうと、学生は「選考中と文体がまるで違う…」と戸惑うケースが見受けられます。
学生に戸惑いを感じさせないよう、メールは「□□様 お世話になっております」と、ビジネスメールと同じ書き方をしています。

そのあと、学生が親近感をもちやすいよう、顔文字を使っています。
メールには、スタンプや絵文字といった機能がないため、開いたとき画面が黒一色になってしまいます。
これはメールの特性上、やむを得ませんが文章が長いほど学生の読了率は下がりがちです。
そのような事態を避けるため、「٩(๑´0`๑)۶(白い丸)や「(*´∀`*)(白い三角)」を使ったり、文章2〜3行ごとに改行を入れたりして、学生に読んでもらいやすいよう、メリハリを付けています。

(2)企業研究の途中経過を尋ねる

懇親会から1週間程度たったら、内定者それぞれに課題の進捗を尋ねましょう。
こちらも、まずはLINEの例文から。
①LINEの例文から

①LINEを文章の作り方

記事の序盤にも書きましたが、人事担当者様ここで課題を課すのは、内定者です。
課題は彼(彼女)らが、エントリー前に行う企業研究よりも、貴社の実務に踏み込んだもののほうが、学生は実際の業務に触れている実感がもて、志望度が下がりにくくなります。

その一方で、専門性の高さゆえに、課題に苦戦する学生は少なくありません。
そこで人事担当者様が「□□さんの課題の課題提出の助けになれば……!と思い、私のほうでいくつか参考資料と、プレゼン資料の作り方をまとめたものを共有しますね!」と展開。

単に企業側から課題を課すのではなく、助け舟を出すと学生にとって人事担当者様は味方に思えます。
学生の多くは、企業に質問すると「業界について理解してない」と思われてしまうのでは…と、自分の評価が気になってしまうもの。
なぜなら、印象を損ねてしまうと「モノ覚えがわるい」と配属先の社員に感じさせてしまうからです。
人事担当者様があらかじめ「いつでも質問していい」「課題の内容は、入社後の評価に影響しない」と断言してあげれば、彼(彼女)らは安心して課題に取り組めます。

貴社が出す課題は、大学などのレポートとは違います。しかし、この時点で学生の多くは「レポート」と「ビジネスで使えるスライド」の違いを理解している学生はほとんどいません。
そのため、学生も懸命に調べ、まとめて来るでしょうが、提出日当日は彼(彼女)らにとって厳しいフィードバックが行われる可能性があります。
ビジネスシーンではそれが正しいとしても、時間をかけて作った資料を修正されるのは、学生に限らず誰だってヘコむものです。

そこで、人事担当者様は学生にとっての助け舟と考え、上記のようなメッセージを作成すると、彼(彼女)らが相談しやすくなり、その関係性が強固になればなるほど、内定承諾後の辞退もされにくくなります。

②メールを使った文章の作り方

続いてメールの例文を見ていきましょう。

メールで気をつけていただきたいのは、学生にお礼を伝えるときと同様、件名です。
ビジネスメールの要領で『【株式会社〇〇】課題の進捗について【人事部△△です】と書いてしまうと、ナビサイトからのメールに埋もれてしまい意図せず”未読スルー”される可能性があります。

それを防ぐため、件名は『【人事部△△】□□さんの課題の参考になりそうな資料をまとめました!【株式会社〇〇】』と、通常のビジネスメールではやらないであろう書き方をしています。
本文については、懇親会のお礼を伝えるときと同様、学生が読みやすいよう、白地の顔文字を使い、文面が黒一色にならないようにしてください。

メンターの動き

2〜3週間を目安に課題を提出してもらい、学生の習熟度を図りつつ、提出されたスライドにフィードバックします。

1.フィードバックの入れ方

学生の多くはスマートフォンやタブレットで、プレゼンテーションの作り方を調べながら資料を作ると思いますが、彼(彼女)らは、貴社でキャリアを重ねた社員ではありません。
そのため、メンターを務める社員様からみれば「まだまだだな…この表現・構成だと分かりにくい…」と感じる面も多々あるでしょう。

しかし、それを一方的に伝えるだけでは、学生には「いっぱいダメ出しされた」わるい印象だけが残り、彼らの志望度は低下してしまいます。
そうならないためにフィードバックを入れるとき、意識していただきたいのが以下の2点です。

(1)基本スタンス

学生、社会人という立場に違いはあれど、自分が時間をかけて作った資料をダメ出しされるのは、誰だって嫌なもの。ましてや、ダメ出ししてくる人が内定先の社員となれば学生のショックは計り知れません。
そこでまずやっていただきたいのが「学生が作った資料を褒めること」。

内容は何でも構いません。「この情報をまとめるのは大変だったでしょう、ご苦労さま」。
「3週間で良くココまでまとめたね!」でも良いですし、具体的に見やすい点があれば「○ページ目のところ、グラフが入っていて分かりやすかった」と伝えるのも有効です。
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資料を提出した学生は「自分にどんな評価がくだるのか…」と緊張しています。
「褒めること」からフィードバックを始めると、学生の緊張もほぐれ、貴社に対する志望度も下がりにくくなります。

(2)具体的なやり方

フィードバックを実施する上で意識していただきたいのが、単なる指摘ではなく「学生にどこが、なぜダメなのか」を気づかせてあげること
正直なところメンターを務める社員様にとっては手間が増えてしまいますが、入社前にこの作業をやっておくと、学生が貴社にとって即戦力に育ちやすくなります。

ところが、人は見本(OK例)がないと資料の良し悪しを判断できません。
そこで、メンター役の社員様がフィードバックを実施する前に、1度、学生同士で互いの資料を見せ合い「どこが良かったか」、また「分かりにくかった部分はどうすれば改善できるのか」を論議させるのが有効です。
「内定者同士」という同じ立場の人が作った資料なので、学生はどの資料にも公平に意見できます。

ただ、前述の通り「否定の時間」が長く続くほど、当該学生の志望度は下がってしまいますので、そうならないよう、様子をみながらメンター側で論議をコントロールしてあげてください。

分かりやすい資料をつくるため、メンター役の社員様がコントロールしながら、学生に話し合いという形で、1人ひとりに「気づかせる時間」を与えれば、彼(彼女)らは嫌な気持ちになりません。

その上で、話し合いで学生から出なかった意見を、貴社のビジネスモデルを理解しているメンターの社員様が1人ひとりの資料に書き込んだり、口頭で伝えたりしてあげれば、彼(彼女)らにとってメンターを務める社員様は「仕事のできる年の近いお兄さん(お姉さん)」に見えます。

まとめ

TwitterやInstagramを見ると、学生同士が情報交換を目的に作った、いわゆる「就活垢」を多く見かけます。
一方で、学生が企業の人事担当者様向けに自身について発信しているアカウントはそれほど多くありません。
この事実を踏まえると、内定者懇親会においても、学生同士をつなぐのはそれほど難しくないでしょう。

記事中にも書きましたが、学生は懇親会のプログラムに魅力を感じ、モデレーターを務めた社員様や人事担当者様と良好な関係を築けなければ内定承諾後であっても、貴社への入社を辞退する可能性があります。
内定者が知りたいのは、社員じゃないと携われない実務についての情報です。

ですが、それらを教えるには、まず貴社の社会における役割やビジネスモデルを、学生にしっかり理解してもらわねばなりません。
その第一歩として、懇親会ではモデレーターを交えた自己紹介やグループワーク、課題へのフィードバックといった施策が有効になります。

懇親会を開催して終わり、では、学生の心は他社に揺れ動きがちです。
内定者から確実に入社の返事をもらうためには、学生同士の「横の関係」だけでなく、人事担当者様と学生1人ひとりの「縦の関係」も結びつきを強めていく必要があります。

弊社で提供しておりますMOCHICAは、「企業様と応募者を”も”っと、”ちか”くに」をコンセプトにした採用管理システムです。
LINEとメールの両方に対応しておりますので、内定者1人ひとりの希望に応じて、彼(彼女)らとの連絡手段を選んでいただけます。

とは言え、採用は貴社の未来を左右する業務です。
ゆえに「まずは触ってみなければ導入を決められない…」というのが人事担当者様の本音でしょう。
運営部ではMOCHICA体験会を随時開催しております。
また以下のリンクに、MOCHICAの機能と料金についてまとめていますので、採用管理システムの比較にお役立てください。

(※料金については、上記リンクからチャットにて、運営スタッフがご案内いたします)。

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