​​説明会後の離脱を防ぐ!失敗しない「メンター制度」の使い方と施策例


学生の多くは内定式までに就職先を決めるべく、同時期に複数の選考を受けています。
そんな中、貴社が採用予定数を確保するには、会社説明会に来た学生に選考を確実に受けてもらうこと。
すなわち、説明会から選考までの途中離脱を防がなければなりません。
本記事では、そのための施策として有効な「メンター制度」について紹介します。

メンター制度とは

メンター制度とは、社員様が指導役、または相談相手となり、学生に不安なく入社してもらうための施策です。
「入社を促す」との側面からメンター制度は、もともと内定者フォローのための施策でした。
実際、このMOCHICAブログでも内定者フォローのやり方でメンター制度について書いた記事を出しています。

学生の途中離脱や辞退を防ぐには、「こまめなコミュニケーションが必須」と言われます。その点は、この記事を読んでいる人事担当者様もご存知でしょう。

学生と話しをすると「複数の選考が同時に開催されるため、志望度の高い企業を優先し、会社説明会に来ても、選考を受けない」と話す人は少なくありません。
そこで私たち運用部がMOCHICA導入企業様に「有効」とお伝えしているのがメンター制度です。

1.メンター制度は、なぜ離脱防止に有効なのか

学生は業界研究と企業研究を済ませてから、貴社の説明会に参加しています。
それらは、志望度を高めるために、必要な工程ではありますが、それでビジネスパーソンと同じ解像度で貴社の業務内容をイメージできている学生はいません。

なぜなら、彼(彼女)らは社員という大きな責任を伴うポジションで働いた経験がないからです。
だからこそ、学生は説明会に来ても、貴社の競合企業と比較し「B社、いや…C社のほうがいいかも」と迷います。

採用活動の目的は、自社が求める能力を持った志望度の高い学生に入社してもらうことです。
それには、彼(彼女)らの貴社に対する解像度を高める必要があります。

百聞は一見にしかずではありませんが、解像度を鮮明にする上で社員様の”生の声”に勝るものはないでしょう。
生の声を誤解なく届けるには、社員様が学生1人ひとりに直接伝えるのが、もっとも手早く確実です。
この点から、メンター制度は有効と言えます。

具体的な進め方

メンター制度の有効性については、何となくイメージしていただけたかと思われますが、何の根拠もなくメンターだけを配置しても、人事担当者様の狙いどおりには機能しません。
なぜなら、エントリー直後の段階では、人事担当者様も各部署の社員様も、応募者の性格を詳しく知らないからです。
エントリー後の離脱を防ぐには、応募してくれた学生にメンターの存在を知らせ、貴社においては、学生が「話しやすい」と感じられる社員様にメンターを任せる必要があります。

1.連絡先を交換する

メンター制度を機能させる上で、最初の関門となるのが連絡先の交換です。
学生に認知してもらうために、サントリーが就活応援アカウントを開設するなど、採用活動においてもLINEを活用する企業様が増えています。

が、LINEはもともと内定者にとって「プライベートな連絡手段」として利用率を伸ばしてきたツールです。
学生の中には「就職活動にLINEを使いたくない」と考える人もいるでしょう。
『LINEのほうが未読スルーされなさそうだから』とのイメージだけでLINEを使うのは避けてください。

学生は「選考前にわるいイメージを残したくない」と考えているため、人事担当者様が『連絡はLINEで』と言えば、彼(彼女)らは反対しません。

しかし、人事担当者様の一存のみでツールを決めてしまうと、「LINEを使いたくない」と考える学生の志望度は下がるいっぽうです。
それは、やがて選考辞退の原因にもなります。

連絡用のツールは、学生1人ひとりの希望を聞いて、決めてください。
また、連絡先を交換するときに「後日、志望部署の先輩社員から連絡がある」と、メンターの存在を伝えておけば、学生は違和感なく社員様とコミュニケーションを取れます。

2.メンターを選ぶ

学生も社員も”人”です。人には相性があります。
単に、選考対策に特化したメンターをつけるのが有効と言われても、「学生とメンターの相性が合わなかった場合、逆効果では…?」
また「社員1人あたり何人の学生を見れば良いのか…?」といった疑問が生じると思います。

相性というと、とても抽象的に聞こえますが、学生・社員といった立場の違いに関わらず、人は自分と共通点が多い人物に対し「話しやすい」と感じ、警戒心を緩めます。
それを見極めるための手法として、運営部ではdisc診断をおすすめしています。

disc診断は12の質問に答えると、以下のように性格や考え方を分析してくれます(2023年3月時点、利用料金はかかりません)。


▷(DISC 性格類型検査)より引用

MOCHICAの運営母体であるネオキャリアにおいても、disc診断をもとに、メンターを選定していますが、社員の診断結果と、学生の志望動機や自己PRなどを照らし合わせ、考え方や貴社を志望した経緯が似ている人をメンターにあてがうと、双方に共通点があるので打ち解けるのが早い傾向がみられます。

3.学生と顔を合わせる

仕事をしていて「1度も顔を合わせたことのない人に業務を任せよう」とは思いませんよね…。
それは、学生も同じです。

最初の連絡は、メールやLINEを使った“文章越し”で構いませんが、メンター役の社員様が、どれだけ「サポートする」と言っても、『そもそも、この人は何者?』と不安を感じている学生は少なくありません。
人事担当者様とメンターを務める社員者様は、応募書類で学生の顔を把握し、性格や物事の考え方を分析できますが、学生は企業様側からアプローチしない限り、何も分からないのです。

文章のみで、学生をサポートするのは限界があります。

不安はどこかで吐き出さない限り、どんどん積もっていきます。
方法は対面(来社を促す)でも、オンラインでも構いません。
担当する学生が決まったら、なるべく早く顔を合わせたほうが、不安が払拭され、“話しやすい関係”を築きやすくなります。

4.人事担当者とメンターの役割分担を決める

率直に言うと、「人事担当者様=学生とメンター役の社員様をつなぐ窓口」、「メンター=選考突破のサポート役」と考えてください。

選考を控えた学生にとって、最大の関心は「応募書類に何を書けば、選考を突破できるか」、あるいは「面接でどんなことを話せば選考を突破できるか」です。

人事担当、メンターといったポジションに関わらず社員様は選考の評価基準を明かせないでしょう。
しかし、関心ごとに具体的な返答がなければ、学生はメンターを「何のためにいるのか分からない人」と認識します。
彼(彼女)らがほんの少しでも、そう感じたら、メンター制度が失敗に終わるのは言うまでもありません。

そのような事態に陥らないための施策として、私たちMOCHICA運営部は導入企業様に対し、「メンター役の社員様に、実務で求められる能力や業務で意識していることを話してもらうのが良い」とお伝えしています。

たとえば、営業職を希望している学生に対しては、以下のとおりです。

『ウチの営業は、1人あたり5社〜8社の取引先をかかえる。丁寧な受け答えはもちろんだけど、実務では、優先順位を考えて仕事の段取りを組む必要がある』

自身のイメージや、就活セミナーで見聞きした情報から、学生も「営業職=コミュニケーション能力が必須」という事実はなんとなく分かっています。
メンター役の社員様が同じ内容を伝えても、学生には刺さりませんが「ウチは1人あたり5社〜8社取引先をかかえる」、「実務では優先順位が大切」といった情報があれば、どうでしょうか。

ご自身の就職活動を振り返って考えてみてください。

実務のイメージを膨らませにくい新卒の立場で、そのような情報が社員の口から出れば「良い話しを聞けた」と思いますよね。
学生は、就職活動の一般的な攻略法ではなく、貴社へ入社したあとの姿が具体的にイメージできる情報を求めています。

選考基準は明かせませんが、「実務で必要な能力」は話せるでしょう。上述のとおりメンター制度の目的は、学生の解像度を高めることです。
が、各部署の社員様は、人事担当者様に比べると採用業務に携わるのが、難しいときもあるかと思われます。
そのため、「採用活動を主導する人事担当者様が窓口」。「志望職種に関する質問や相談については、メンターにつなぐ」といったようにルールを決めると、それぞれの役割が明確になります。

5.コミュニケーションのハードルを下げておく

選考前に印象を損ねたくない学生にとって、人事担当者とのコミュニケーションは、非常に気を使う行為の1つです。
接点をもった時点で、『何時に返信していただいても構いません』と言及しておけば、コミュニケーションのハードルが下がり、学生からの返信が見込めます。

メッセージ例】

学生にどうアプローチするか迷った場合には、「メッセージを見やすい時間」を聞くのがおすすめです。
率直に言うと、人事担当者様が「いつでも何でも話してくださいね!」と書いても、学生はコミュニケーションに慎重なため、ある程度、関係が深まってこないと、彼(彼女)らは、積極的に返信しません。

が、「何時なら見やすいか教えてください」と書いてあれば、学生は『印象を損ねたくない』と、考えているからこそ、確実に返信が見込めます。
なぜなら、最初から「疑問」と言われると浮かびにくいですが、「メッセージを見やすい時間」であれば、答えやすいからです。

抽象的な質問のあとに、具体的な質問を書いておくと、学生は返信しやすくなります。
いっけん、意図のない質問のようにみえますが、「メッセージを見やすい時間」は、学生にとって答えやすい質問であり、人事担当者様にとっては、コミュニケーションのきっかけになる質問なのです。

まとめ

人事担当者様は、学生の志望度を高めるべく、会社説明会で自社の仕事内容や働きやすさをアピールさせるでしょう。
そのような取り組みは必要ですが、彼(彼女)らの就労経験はアルバイトのみです。

つまり、学生が、「実務に携わり経験を積んだ社員様と同じ解像度でビジネスモデルをイメージできるか」と言われれば、会社説明会のみでは難しいと言わざるを得ません。
それゆえ、学生は給与・福利厚生といった入社後の生活をイメージできる軸で、貴社と競合他社を比較し、「どの企業に入るのが今の自分にとって得策か」を考え、持ち駒の中で気持ちが揺らいでしまうのです。

人事担当者様からすれば「その不安も打ち明けて欲しい」と思うところですが、これは学生にとって「御社は第二志望です」と言っているようなもの。
彼(彼女)らにしてみれば持ち駒が多いほど、キャリアの選択肢が増えます。

社員様が取引先の担当者と話すとき「印象を損ねたくない」と考えてるのと同様に、学生も選考を控え「印象を悪くしたくない」と考えています。
そんな思いがあり、彼(彼女)らは本音を明かしません。

しかし、記事中にも書きましたが、貴社への解像度が高まらなければ志望度は下がる一方です。

こうした実情を踏まえると、志望度の低下を防ぐには企業様側からアプローチするのが、もっとも手早く効果的です。その手段として「メンター制度」が挙げられます。
学生が本音を話すのは「この人は味方だ」と思える社員様です。
そこで、「学生と共通点が社員様をメンターにあてがう」「コミュニケーションのハードルを下げておく」といった施策が有効になります。

メンターを務める社員様とのやり取りを通じて、疑問や不安が解消されれば、学生は離脱することなく貴社の選考を受けるでしょう。

MOCHICAについて

MOCHICAは、学生と企業様を“も”っと、“ちか”くにをコンセプトとした採用管理(以下、ATS)システムです。
これまで、応募者の情報管理は、ExcelやGoogleスプレッドシートで行うのが一般的でしたが、ATSを使えば、それ1つで、応募者の情報管理、応募者1人ひとりのコミュニケーションまで、すべて完結できます。

2013年頃から始まったLINEの普及に伴い、近頃は「LINE連携型ATS」が増えています。

LINEは、もともと「プライベートの連絡手段」として利用率を伸ばしてきたツールです。
それゆえ、「就職活動ではLINEを使いたくない…」と考える学生もいるでしょう。
弊社で運用しております「MOCHICA」においては、その点を考慮し、LINEとメールの両方で同じ機能を使えるようにしました。

このほか、商社や各メーカーで採用業務を担ってきたメンバーが“専任スタッフ”として、アカウントの導入やメッセージの作成をサポートいたします。
このため「採用活動に割けるリソースがない…」と悩んでいる企業様においても、安定した運用が可能です。

とは言え、システムに触れなければ採用フローの変更を判断は判断できないと思います。
以下に、MOCHICAの料金や導入事例をまとめた資料がありますので、導入の参考になさってみてください。

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