辞退をどう減らす?もっとも即効性のある「内定者フォロー」の事例

売り手市場の影響で、採用活動は政府が定める「就活ルール」よりも早く進んでいます。
それゆえ、内定式の10月1日よりも前に、内定者フォローを始められる企業様は少なくないでしょう。
リーマンショックの影響で買い手市場だったときには、人事担当者様と学生がコミュニケーションを取れていれば、内定通知後の辞退はそれほど多くありませんでした。

しかし、経済政策の転換に伴い「売り手市場」となって以降は、人事担当者様と学生がコミュニケーションを取っていても辞退を申し出られたり、もっと酷いケースになると無断で学生がいなくなる…といった辞退が増えた印象があります。

とは言え、採用活動で起こっている問題はどこの企業様も共通です。
だからこそ、学生に入社していただくためには、今以上に何をすべきか…と頭を悩ませている人事担当者様は少なくないでしょう。

そこで本記事では「即効性のある内定者フォローの施策」をまとめていきます。

内定者フォローでやるべきこと

人事担当者様からすれば、自社が内定を出したところで学生に就活をやめてほしいのが本音でしょう。
マナーとしてはそうすべきところですが、「就職先を選ぶ権利」は学生側にあります。

人事担当者様のお気持ちわかりますが、面接で「弊社から内定が出たら、どうしますか?」と聞いてしまうと、学生は態度には出さずとも「オワハラされた…」と感じるでしょう。

これでは本末転倒です。
内定を得た学生の多くは、「社会人としてうまくやっていけるか…」、「自分が本当に戦力になれるか…」といった漠然とした不安を感じています。

まず学生のこういった不安を解消できなければ、彼(彼女)らは「貴社に入ろう」とは思いません。
内定者フォローで人事担当者様がやるべきこととは、単に学生とコミュニケーションをとることではなく、彼(彼女)らから不安や入社に際する疑問点を引き出し、それを解消することなのです。

具体的な内定者フォローの施策

MOCHICAの運営母体である㈱ネオキャリアは、いわば「採用のプロ」として、小売店、卸売業、保育士などさまざまな企業・団体様の採用に携わってまいりました。
そんな弊社ではありますが、正直、学生の惹きつけは弊社においても課題です。

事業拡大に合わせ採用人数を増やしてまいりましたが、上述のとおり1人ひとり性格も企業選びで重視しているポイントも異なります。
だからこそ、惹きつけのノウハウ化が難しくなります。

弊社では「学生に刺さるメッセージとは何か」をメンバー同士で話し合い、ナビサイトの文体を毎年変えてみたり、インターンシップの内容も「自分が学生だったらどんなインターンシップに参加したいか」を考えてきました。
毎年、ここには書ききれないほどの話し合いを重ね、多くの方法を試しましたが、その中でもっとも効果のあったのが「メンターの配置」です。

もっとも辞退率が低い施策

通常、採用活動においてメンターが学生の指導役として配置する企業様が多いかと思います。
しかし、学生はインターンシップの前から企業を選別し、「どこに応募しようか」を考えています。
そんな背景を考慮し、弊社の魅力を鮮明に伝えるため、インターンシップの直前から学生1人にメンターを配置し、社員に「就職活動の相談役」を任せています。

この方法に変えてから弊社の新卒入社率は9割を超える程度で、毎年安定しています。
「100%ではないのか」と思うかもしれませんが、数字以上に変わったのが学生との関係です。

メンター制度を始める前は、正直、辞退を選んだ学生との関係はそこで切れてしまっていました。
しかし、メンター制度を始めてからは社員が仕事内容や社内の雰囲気を実体験に基づいて話すので、学生も弊社に対する解像度があがります。

インターネットで調べたときには「人材事業を柱にしているベンチャー」くらいだったのが、メンター社員の声が入ることで、学生はネットに載ってない情報を含んで入社するか否かを判断できます。

辞退されてしまうのは弊社にとって痛手ではありますが、その場合でも「メンター社員のとのあいだに絆とはいかないまでも、良い関係が作れていますので、以前のように「辞退したからそこで終わり」ではなくなりました。
実際、他社へ新卒入社して、そこで経験を積み、弊社に転職してきたメンバーも多くいます。

メンターの選び方

弊社では、社員にDISC診断を実施。その結果と学生の志望動機・自己PRの内容を照らし合わせ、思考と性格が似ている社員をメンターに当てています。


▷(DISC 性格類型検査)より引用

思考と性格が似ている社員を当てると、学生と早く打ち解ける傾向が見受けられます。
メンターが学生の相談役を担当し、入社直前まで並走していくイメージです。
弊社においてはメンター社員が、学生の選考対策を担当。内定通知後は自身の仕事内容やキャリアについて話すほか、学生の配属先が決まったら、そこのメンバーとの顔つなぎもしています。

内定通知

内定者フォローとセットで考えていただきたいのが、内定通知の際の動きです。
内定を出す以上、人事担当者様は「早く承諾して欲しい」と考えるでしょう。
その気持ちは筆者含め、弊社メンバー、共感しかないですが、どの会社に入るかを決めるのは、学生自身であるべきです。

ここで「学生は自分の意志で志望したんだから入社してくれるだろう」と考えて動くのはやめてください。
人事担当者様から『いっしょに働けるのを楽しみにしています』と言われたら、学生は喜びも感じる一方で、プレッシャーも感じるでしょう。

内定通知の際、返答期限を設けられると思います。
ここは「返答期限までじっくり考えていただければと思います。もし気になること、改めて聞きたいことがあったら、今までと同じように、時間を気にせずLINE(または、メール)してくださいね!」と言われたほうが学生にとっては好印象です。

学生が辞退するケースもあるかと思われますが、こちら(企業様側)が待つ姿勢を示しているので、彼(彼女)らの中にわるい印象は残りません。

具体的な事例

ここまで内定者フォローの施策を書いてきましたが、この記事を読んでいる人事担当者様が気になるのは、企業において実際のところどのような内定者フォローが行われているのか。
そして、その施策がどんな成果を挙げているのかだと思われます。
俯瞰的な文章だけでは説得力に欠けると思われますので、以下、企業様のインタビューを交えて、内定者フォローの施策と成果を紹介します。

1.クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社様

「内定辞退率が高まっていたこと」「学生への事務連絡に業務時間を半分以上をとられていた。

「この2点を解消したいと考えていたときにMOCHICAを知ったのが、導入のきっかけになった」と話すのは同社の渋澤様。
渋澤様は採用以外の業務も担当しており、「業務のスマート化(効率化)が必要だった」と導入前を振り返って下さいました。

情報管理の方法や、そのシステムを変える上で懸念点となるのが「導入後、担当者様が違和感なく使えるか」でしょう。
その点を渋澤様に伺ったところ、「MOCHICAはUIがExcelに近いのでスムーズに移行できた」と言います。

「学生とコミュニケーションを深め、内定辞退率を下げる」「業務の効率化を図る」。

人事担当者様がシステムを違和感なく使えなければ、この2つを両立できません。
これはクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社様に限った課題ではないでしょう。
そこで、私たちMOCHICA運営部は、管理画面をシンプルかつ、ひと目で必要な情報へアクセスできるように設計しました。
導入後、システムを違和感なく運用できたため「業務の比重を、学生とのコミュニケーションに置けた」と変化を明かした渋澤様。

MOCHICA導入により内定承諾率は175%改善したと言います。
渋澤様が学生とのコミュニケーションで意識したこと、メッセージの作り方については、以下にまとめていますのでご一読ください。

2.株式会社 三永様

採用業務に係るコンテンツづくりに時間を割けなかったため、MOCHICA併せて、弊社が展開しているメッセージ配信代行サービスも導入した同社。

その結果、学生から「〇〇の仕事紹介のコンテンツ見たいです!」といったリクエストが増加。コミュニケーションの活発化により、内定辞退も大幅に下がった、と効果を語ってくださいました。

スタンプ1つでコミュニケーションが成立する LINEは、企業様と学生の双方にとって「メッセージを送りやすいツール」と言えるでしょう。

さらに、今は「後でお返事します」「ゆっくりお返事させてください」といった敬語スタンプも増えています。
これにより、企業様・学生の双方が“既読スルー”せずに、時間のあるときにゆっくりとメッセージを返すことも可能になりました。

こうした、“コミュニケーションの取りやすさ”も内定辞退率の低下に大きく影響しているでしょう。
株式会社 三永様の取り組みと、配信コンテンツについては、以下に実例を挙げて紹介しておりますので、参考にしてみてください。

3.株式会社ヤスナ設計工房様

もともとは説明会〜選考までの移行率。
いわゆる“歩留まり”を改善すべくLINE連携型ATSを探していた、と話す株式会社ヤスナ設計工房の山口様。

導入の決め手は、比較した「LINE連携型ATSの中で、MOCHICAの管理画面がいちばんシンプルで社内メンバーも使いやすいと思ったから」と言います。

MOCHICA導入により、内定数は前年比450%増。
内定承諾も166%改善し、大学訪問の際も、LINEの登録を促し、漏れなく選考に繋げるられたと効果を語ってくださいました。

歩留まりを改善できた要因として、「LINEの活用により、学生が1人で悩まなくて良い環境を作れた」と話す山口様。

学生にとって、新卒の就職先の選択はビジネスパーソンとしての第一歩です。
今、本記事を読んでいる人事担当者様も学校を卒業前に就職活動をされたと思いますが、「最初にどんな会社に入って、何の仕事をするか」は、その後のキャリアプランを選ぶとき、大きな影響を与えます。

それゆえ学生も慎重になり、不安にもなるのです。

MOCHICAの導入により学生1人ひとりの不安を受け止める体制が社内にでき、電話・メールでは難しかった、不安に寄り添ったフォローができるようになった、と言います。

ビジネスシーンにおいては、メールが積極的に活用され採用活動のとき、「フォーマルなツール」と認識されていますが、LINEはそうではありません。

完全に「フォーマル」とも言い切れないLINEのラフさが、株式会社ヤスナ設計工房様の歩留まりと内定承諾率の改善に大きく影響したのでしょう。

同社の取り組みやコンテンツの考え方については、以下の記事にて詳しく紹介しておりますので、ご一読ください。

まとめ

内定を得た学生はホッとしたのもつかの間、徐々に「自分はこの会社でやっていけるか…」「就職したら簡単に辞められない…」と、社会人になることに不安を感じ始めます。

このときに選択肢が複数あると、「自分にとってはこっち(別の会社)のほうが良いのでは…」と考え始めます。
これを放置すると、内定承諾後の内定辞退が起こってしまうのです。

とは言え、人事担当者様がどんなに声がけしても学生は「辞退を考えています」とは絶対に言いません。
学生は「働くこと」に不安を感じています。
そこで、各部署で働く社員がメンター(相談役)となり、学生の話を聞きながら、必要に応じ、自らの体験談を伝えます。

餅は餅屋ではありませんが、実体験ほど説得力のある話はありません。
定期的にLINEやメールで近況を聞くだけでなく、内定者フォローは第一に、社員様と学生1人ひとりが本音を話せる関係を築く必要があります。

そこで、実際に各部署で働いている社員を、メンター(相談役)につける、という方法が弊社が試した中で、もっとも即効性のある施策と言えます。

MOCHICAについて

MOCHICAは、学生と企業様を“も”っと、“ちか”くにをコンセプトとした採用管理(以下、ATS)システムです。
これまで、応募者の情報管理は、ExcelやGoogleスプレッドシートで行うのが一般的でしたが、ATSを使えば、それ1つで、応募者の情報管理、応募者1人ひとりのコミュニケーションまで、すべて完結できます。

2013年頃から始まったLINEの普及に伴い、近頃は「LINE連携型ATS」が増えています。

LINEは、もともと「プライベートの連絡手段」として利用率を伸ばしてきたツールです。
それゆえ、「就職活動ではLINEを使いたくない…」と考える学生もいるでしょう。
弊社で運用しております「MOCHICA」においては、その点を考慮し、LINEとメールの両方で同じ機能を使えるようにしました。

このほか、商社や各メーカーで採用業務を担ってきたメンバーが“専任スタッフ”として、アカウントの導入やメッセージの作成をサポートいたします。
このため「採用活動に割けるリソースがない…」と悩んでいる企業様においても、安定した運用が可能です。

とは言え、システムに触れなければ採用フローの変更を判断は判断できないと思います。
以下に、MOCHICAの料金や導入事例をまとめた資料がありますので、導入の参考になさってみてください。

以下の資料をご覧いただけます

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