【オンライン/オフライン】ミスマッチを防ぐために行うべき面接トレーニング


(株)学生支援センターの調査によると、22年卒のうち70%が「複数の企業から内定を獲得した」と回答。
採用活動を展開するうえで他社との獲得競争が避けて通れない今の時代。
人事担当者様は「優秀な人材」を迅速に見つけ、彼(彼女)らが、貴社に入社したくなるようにアプローチしなければなりません。

しかしながら「優秀な人材」と文章で書くのは簡単ですが、「どんな学生が自社にマッチするか」を見極めるのは難しいもの。
MOCHICAを導入いただいている企業の人事担当者様と話しを伺うと、エントリーシート(ES)を読んで、「この学生は自社の仕事をうまくやれそうだ」と思っても話してみると印象が違う…というケースを多く見聞きします。

また、ひとくちに「就活生」といってもその性格や特技は十人十色。
エントリーシート(ES)の文章に魅力を感じなくとも、話してみると貴社の経営課題を的確に捉えている”隠れ優秀な学生”もいるでしょう。
「自社における優秀さ」をどう定義するかで、採用する人材の傾向。大きなくくりで言えば、会社のビジョンも変わってきます。
それゆえ、人事担当者様の多くは、さまざまな性格の学生がいる中で「優秀な学生をどう見極め、どうやったら他社との競争に勝てるか…」と頭を悩ませるかと思います。

本記事では「優秀な学生を見極めるために面接官がやるべきトレーニング」をご紹介します。

「採用に失敗しない体制」をつくる

さまざまな企業様にお話しを伺うと「採用=人事の仕事」と認識されているケースは少なくありません。
このため、人事担当者様は「各部署からは優秀な学生を採用してほしい」とだけ言われる。
しかしながら、複数の業務を兼任しているため「採用業務だけに集中できない」。
各部署の長と、人事部の長とのあいだで、”板挟み”になっている担当者様もいらっしゃると思われます。

それゆえ、「自分たち人事が採用業務に集中するか」かつ「各部署の長をいかにして採用業務に巻き込むか」
採用を進めていく上で、これが最初の課題になるでしょう。
まずは、これらの解決策について書いていきます。

1.重要性を経営陣から各部署へ伝えてもらう

採用は、貴社が成長し新たなるフェーズへ向かうために不可欠な業務です。
しかし、営業や企画など、各部署の長がそれに気がつかなければ、優秀な人材を採用しても「人事・現場」。それぞれの部署にとってWin-Winにならず、新卒者の早期離職の原因になってしまい、安定的な発展は見込めません。

このような”空中分解”に陥らないためやっていただきたいのが「経営陣から直接、採用の重要性を離してもらい、業務の優先度を上げる」作業です。
ただし、単に『採用に力をいれろ』と伝えるのは避けてください
通常業務を抱えた状態で、単にそう言われても、現場の社員たちは混乱します。

これでは、新卒採用がうまくいっても、いま働いているメンバーから離職者を出す可能性があります。それは本末転倒です。
インターンシップ受け入れ期に当たる6月〜12月。会社説明直前とその直後の2月と3月は、部署全員で採用業務に取り組めるよう、通常の業務配分の見直しを行い、1人ひとりの負担が少なくなるように見直してください。

2.SNSアカウントの運用体制

母集団形成のため、企業様の多くがTwitterやInstagram、TikTokで情報発信を実施されるでしょう。
このとき、必ず複数人でアカウントを運用してください。

規模がそこまで大きくない企業様ほど「できるだけ人員を割きたくない」のが本音だと思われます。
しかし、1人の社員にのみアカウントの運用を任せていると、コンテンツが浮かばなくなり、発信が止まってしまいがちです。
それまで貴社に興味をもった学生がいても、発信がコンスタントでなくなってしまっては彼(彼女)は社内の様子が分かりません。

発信頻度の低下は、学生の志望度を低下させる原因になります。

コンスタントに情報を発信できるよう、TwitterやInstagramなど、SNSのアカウントは必ず複数人で運用しましょう。
些細ですが、こうした体制づくりが「失敗しない採用」へとつながります。

3.スキマ時間の活用

TwitterやInstagramなどでの情報発信は貴社の人事部が中心となり行うかと思われますが、その際に悩みとなるのが「コンテンツを考える作業」でしょう。
人事や各部署において、可能な限り「採用に集中できる体制」を作っても、”日常業務”がなくなるわけではありません。

このため、最初はTwitterやInstagramで社内の様子を積極的に発信していても、徐々に発信すべき情報が思い浮かばなくなったり、日常業務が忙しく情報発信に時間を割けないケースが見受けられます。
人事は総務や管理部門の業務を兼任する場合が多いため、忙しいのは私たちMOCHICA運営部も理解しています。
しかし、上述のとおり情報発信が滞れば、貴社は学生に認知されず、優秀な人材には巡り会えません。

そのような事態を避けるために行っていただきたいのが「スキマ時間の活用」です。
たとえば、23年卒の学生にアプローチする場合は、以下のような内容が良いでしょう。

【投稿例:週3日投稿の場合】
●月曜日:オフィス紹介
●水曜日:社員(メンター役を中心に)紹介
●金曜日:日常紹介(お昼休みの様子など)
●※学生から問い合わせがあった場合は、別途対応する

投稿テーマをあらかじめ決めていれば、コンテンツに迷わなくなり、発信が停滞しなくなります
このほか、スキマ時間に各曜日のテーマに沿った写真を撮影し、投稿文を後日考えるなど、工夫すると他業務への影響を最小限に留められます。

4.メンバーのブランディング

会社説明会や選考は、人事部と各部署のメンバーが中心となり進められるでしょう。
しかし、上述のとおり各部署の長やメンバーの多くは「採用=人事の仕事」と考えているため、採用や組織づくりへの関心が高くないケースも珍しくありません。
新卒の学生が採用後に働くのは、営業や企画・制作といった各部署です。
優秀な学生を見出すためには、人事を含め採用に携わるメンバーの”目”が重要と言えます。
にもかかわらず、メンバーが採用業務に前向きでなければ、優秀な学生の採用は困難と言わざるを得ません。

優秀な学生を採用するためには、採用に携わるメンバーのモチベションを高める必要があります。
そのために、有効な施策が「ブランディング」です。

ブランディングと聞くと難しいイメージがあるかと思われますが、ひとことで言うならば「会社説明会や選考に携わるメンバーをどう魅せたいか」を具体化する作業。
言うまでもなく、社員がミスをしたり、上司から怒られたりしている映像を見せられたら学生は貴社に「入社したい」とは思いません。
これでは、メンバーの士気も下がってしまいます。

結論から言うと、学生には「仕事をしている様子」を見せるのが効果的です。
ただし、説明会に来る学生全員が、貴社への志望度が高いとは限りません。
普段の業務風景にくわえて「なぜ貴社へ入ったのか」「最初はどういう方向性で就職活動をしていたのか」「入社から現在までどのような仕事をしてきたのか」といったインタビュー動画を作成し、説明会で流すのが良いでしょう。
社員が就職活動や入社の動機を語ることは、学生の助けになります。

また、社員が自身の経歴を振り返り、自分のことばで話す作業は、当該社員に「自分はできる人」との自覚を生み、普段の担当業務や採用業務へのモチベーションを高めます。
このような”自覚をもたせる作業”も、採用に失敗しない体制づくりにつながります。
インタビューの方法や取り上げるべき項目については、以下の記事にまとめていますので参考にしてみてください。

貴社が求める「優秀さ」を具体化する

MOCHICA専任アドバイザーが人事担当者様にお話しを伺うと「業務に前向き、かつ全力でコミットしてくれる学生を探しています」と語ってくれるケースが多く見受けられます。
事業の成長には、自社の課題に当事者意識をもち、その解決策を既存のメンバーといっしょに考え、試行錯誤できる人材が欠かせません。
人事担当者様の多くは、そのような人材を「業務に前向き、かつ全力でコミットしてくれる学生」と呼ぶのでしょう。
言いたいことは分かりますが、これでは求める人物像が抽象的すぎて、面接官はどんな人材を採用すべきか迷ってしまいます。

そこでまずは、学生に貴社が求める「優秀さ」を具体化し、”合格の基準”を決めます。
ひとくちに「優秀」と言っても、たとえば、営業職ならばコミュニケーション能力の高い人、といったように、求める能力が具体的にあるでしょう。
さらに細かくいえば、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが増えた昨今では、コミュニケーション能力1つをとっても「オンライン(メールやチャットツールを使いこなせる)でのコミュニケーション能力」を求めるのか。
「オフライン(対面)でのコミュニケーション能力」を求めるかで貴社で採用すべき人材が変わってきます。

コミュニケーション能力1つをとっても、これだけ細かく分類できるのですから「貴社で求める人材像」が抽象的になってしまうのも無理はありません。
MOCHICA運営部では人事担当者様に対し、「採用基準の線引きに困ったら、事業の原点を考えてみるのが良い」とお伝えしています。
会社は、大きなくくりで話しをすれば「社会問題を解消するために作られた組織」です。

たとえば、MOCHICAの運営母体であるネオキャリアで言うならば、学生の就職活動や企業様の採用支援を通じて、「学生は自分に合う企業を、企業様は自社にフィットする学生を見つけやすい社会の創造・それができる採用の仕組みを創る」。
それが私たちのミッションです。

弊社においては、人材採用に関する事業を柱に、そうした社会の創造を目指していますが、業界は違っても「社会問題を解決する」との点においては貴社も同じでしょう。
であるならば、学生に求めるのは「課題を分かりやすく言語化する能力」。
入社後、トラブルが起きてしまった際、その影響を最小限に留めるための「相談力(問題解決力)」。
この2点になるかと思われます。

採用担当者様が面接でチェックすべきポイント

「問題解決力の有無を見極める」と書くのはスグですが、自社を志望した経緯や理由、性格は1人ひとり異なります。
それゆえ、「学生のどこをみれば、問題解決力を判断できるのか…」面接担当者様が頭を悩ませるケースは少なくありません。
ましてや30分〜40分という限られた時間の中で、それを見極め「会社の将来を背負う人材」を選ばなければならないのですから、面接担当者様のプレッシャーはとても大きいでしょう。

率直に言って問題解決力の見極めは、企業様の採用活動をお手伝いさせていただいている私たちMOCHICA運営部の母体であるネオキャリアも悩むポイントです。
ですが、企業様の採用支援に長年にわたり並走する中で見えてきたトレーニング法がありますので、本記事ではそれをMOCHICAブログの読者様に共有したいと思います。

1.学生の話し方

大学での就活セミナーにおいて「面接では結論から話すように」と指導するケースは少なくありません。
これは「ビジネスシーンでは定められた時間内により多くの業務をこなせたほうが良い」。
それゆえ「要件は結論から伝えると話しが分かりやすくなる」との考え方からです。
このような指導を受けているため、学生の多くはエントリーシートを「結論(アピールポイント)→それに付随するエピソード→入試後の抱負」の順番で書きます。

エントリーシートは構成のパターンが決まっていますので、正直なところエントリーシートを何枚も書けば、学生さんの性格や資質に関係なく、伝えるチカラがあるようにみせることは可能です。
しかし、面接は違います。面接で学生は、面接官から聞かれた質問に対し、瞬時に答えねばなりません。

言うまでもなく学生の多くは大学のセミナーなどで面接の練習もしています。
ですが、面接は事前に設問がわかるエントリーシートとは異なり、学生は何をどんなふうに聞かれるか知りません。
そんな中、面接担当者様からの質問に、上述の構成で回答できる学生は「伝えるチカラがある」と評価できるでしょう。

2.回答の食い違い

もう1つ採用担当者様に注目していただきたい点は「エントリーシートと面接の回答の食い違い」です。
上述のとおり、面接において学生は、採用担当者様からの質問にその場で的確に回答せねばなりません。
たとえば、面接で志望動機を聞いたとき、学生の回答が履歴書やエントリーシートと同じであれば『貴社への課題解決意識・志望度は低い』。
また、アピールポイントが履歴書やエントリーシートと統一性がない場合は『十分に自己分析をできていない=貴社へ入社しても問題の本質を理解できず、解決できない』。
つまり、中長期的に見ても戦力にならない可能性があると判断できます
履歴書やエントリーシートとの回答の食い違いも、学生の志望度や問題解決能力を見極める指標の1つになります。

3.課題をぶつける

さらに踏み込んだ方法として「学生に貴社の課題を尋ね、その解決策を挙げてもらう」との方法が有効です。
面接で学生に『弊社の改善点を挙げてください』と聞きます。
ここで、具体的な改善点や解決策を答えた学生は、普段から貴社について調べ、考えており「問題解決への意識は高い」と評価して良いでしょう。

ただし、この方法は貴社にとって諸刃の剣でもあります。
なぜなら、学生の多くはアルバイトとしてしか働いた経験がないから。
彼(彼女)らの多くは、BtoB企業の役割をほとんど知らないのです。
このため、何年もキャリアを重ねた貴社の社員と同じレベルで「学生が問題意識をもてるか」と言われれば、それは難しいと言わざるを得ません。

この問題を解決するには「学生が貴社の課題に触れられる環境」をつくる必要があります。
MOCHICAをご利用いただいている企業の人事担当者様には「インターンシップにて貴社の経営課題を明かし、その解決策を学生に論議」という施策をおすすめしています。
貴社は「学生が考えられる環境」を提供しているのですから、それでも「自社に対する課題解決の意識が薄い」または「感じられない」と思う学生を不合格にすれば良いのです。

昨今の社会情勢をかんがみると、オンライン形式でのインターンシップや選考の開催を余儀なくされると思います。
オンラインでのインターンシップ・選考の開催準備は以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。

具体的なトレーニング法

評価基準の指標が決まったら、ここから面接担当者様が学生の適性を見極めるために有効なトレーニング法について言及していきます。

1.若手社員に聞いてみる

その1つが「若手社員に意見をみる」という方法です。
少し前は、面接において担当者様がわざと高圧的な態度を取り、学生のストレス耐性や業務適性を見極める『圧迫面接』を実施する企業様も少なくありませんでした。
ですが、学生の多くが複数の企業から内定を得ている売り手市場位の今、そんな手法をとれば、学生は貴社を「ブラック企業」と判断し、競合他社へ流れてしまいます。

学生の貴社に対する志望度や業務適性を本気で見極めたいならば、企業様側も彼(彼女)らが「それらを言いやすい雰囲気」をつくるべきです。
学生の多くは、大学のセミナーや就職活動の参考書。インターネットの記事で「面接の時間が短かったら不合格」「面接で志望動機や自己PRなど、基本的な質問しかされない」といった”間違った就活ルール”を見聞きしています。
つまり、採用担当者様の事務的な対応に不安を覚えるのです。
裏を返せば、対応が事務的に見えなければ、学生は「自分の話しを聞いてくれている」と感じ、貴社に好印象をいだくでしょう。

若い社員は就職活動からあまり時間が経っていないので「学生に近い感覚」で意見してくれます。
そこで、志望動機や自己PRを聞くにしても、どんな順番で聞けば学生がもっとも答えやすいか。
また、面接の練習をするとき、学生は少しでも第一印象を良くするために「にこやかに」「笑顔で」など表情のつくりかたに関する指導を受けています。
これは、企業側にも同じことが言えます。採用担当者様がおおらかに話ができなければ、学生は「威圧された」「自分に興味がない」と感じ、内定を出しても前述の理由で辞退されてしまう可能性が否めません。

採用担当者様は、学生が最初に会う「企業の顔」です。
TwitterやInstagram、TikTokで母集団掲載にチカラを入れても、学生と顔を合わせる面接で彼(彼女)らから「威圧された」「自分に興味がない」と思われてしまったら、今までの努力は水の泡となってしまいます。
そのような事態に陥らないよう。若い社員から意見を聞き「学生が話しやすい雰囲気」を作りましょう。

【面接トレーニングのチェックポイント】
●どんな順番で質問すれば学生がもっとも答えやすいか
●面接担当者の表情や仕草

2.人事と各部署で意見を合わせる

冒頭にも書きましたが、採用した社員が働くのは営業や企画、制作など各部署です。
ひとくちに「営業職」と言っても必要な能力は、その手法によって変わるでしょう。
具体的には、貴社が対面での営業を軸にしているのならば、必要なのはお客様の課題を言語化し、その解決策をわかりやすく伝える能力に長けている学生。

貴社がTwitterやInstagramの広告を軸に営業を展開する会社ならば、必要なのはそれらを頻繁に使っていて、トレントに敏感で、チャットツールなど文章でお客様の課題を具体化し、その解決策を提案する能力に長けている学生でしょう。
採用する職種ごとに、求める能力を人事部とそれぞれの部署の長とで、共有しておくと貴社で採用すべき学生が明確になります。

まとめ

文中にも書きましたが、採用は貴社の成長の根幹にかかわる業務です。
正直、人事部が手動で進めたほうが業務工数もかからずスムーズに進むケースは少なくありません。
しかし、採用後に学生が働く、企画や営業といった各部署の長と「どんな人材が必要か」を明確にしておかなければ”雇用のミスマッチ ”が起こってしまいます。
採用業務にかけた工数やコストを無駄にしないためにも、まずは「会社全体で採用業務に取り組む体制づくり」が不可欠なのです。

学生にとって新卒で入社する企業は、ビジネスパーソンとしてのスタートの場になります。
さらに踏み込んで言えば、「最初にどんな仕事をし、どんな能力を身につけるか」でビジネスパーソンとしての基礎が形成されます。
だからこそ、彼(彼女)らは新卒で入る企業選びが慎重です。たとえ内定承諾後であっても自分が「違う…」と感じれば、彼(彼女)らは辞退します。

そのような事態を防ぐために、記事中に書いた学生1人ひとりが自身の能力をアピールしやすい環境づくり。
また、新卒の学生にどんな能力を求め、どこからを貴社で教育していくのか。
これらについて人事と各部署の長とで論議を深めておくことが、雇用のミスマッチの減少。すなわち、早期離職者の減少につながります。