学生の多くは内定式までに就職先を決めるべく、同時期に複数の選考を受けています。
その中で、貴社が採用予定数を確保するには、会社説明会に来た学生に選考を受けてもらう必要があります。
本記事では「説明会から選考へ、移行していただくために有効な施策」をまとめます。
この記事の目次
学生が辞退する理由
インターネットで調べれば、辞退の仕方が山のように出てくる今。その理由は、学生の多くが「入社後の姿」を具体化できず、心が揺らぐからです。
ビジネスパーソンとして経験を重ねた人は、自分の中で企業選びの軸が定まっています。
だからこそ、選考で軸に沿った質問をできるので「自分が身を置きたい環境か否か」を判断できるのです。
一方、学生は明確な軸を作れません。大学などのセミナーで企業選びの軸を考えますが、彼(彼女)らは、そもそも「自分に何が向いているのか」、あるいは「ビジネスパーソンとして何ができるのか」といった、適性を考えるところから始めます。
まだ、仕事の方向性が定まっていないので、学生「あれをやってみたい」、「いや、自分にはこっちのほうが向いているかもしれない」と揺らぎます。
この“揺らぎ”が説明会後の離脱を引き起こしているのです。
移行していただくための施策
自分が働く姿を鮮明にイメージするには時間がかかります。
離脱を防ぐには説明会当日のみならず、その後も学生1人ひとりが求める情報を伝え続ける必要があります。
その第一歩となるのが「連絡先の交換」です。
1.連絡先の交換
「鉄は熱いうちに打て」ではないが、時間が経ってしまうと、学生の気持ちが揺らぐ可能性が考えられられます。
説明会の終了直後、会場で交換を申し出れば、”揺らぎ”は起こりません。
株式会社学情の調査によると、学生との連絡にLINEを使ったら開封率がメールに比べ6倍上がっています。
連絡に使いたいツールを聞いて、当該学生がLINEを希望すればLINEを使うのが良いでしょう。
ただし、LINEはもともとプライベートの連絡手段として普及してきたツールです。
「就職活動にLINEを使いたくない」と考える学生もいるでしょう。
そんな中、人事担当者様がツールをLINEに限定すると、良い印象は残らず、辞退されるのが関の山です。
余談ですが、そんな学生の心情と、人事担当者様の情報管理の手間を念頭におき、MOCHICAにおいてはLINEとメールの両方に対応しました。
学生1人ひとりの希望に合わせた対応が可能ですので、印象を損ねることなく、コミュニケーションをはじめられます。
2.メッセージを開封しやすい時間と頻度を聞く
学生と話をすると、企業様からの連絡が「まったく連絡がないと不安になる…」という人も多いですが、その反面「企業からの連絡が多すぎて、気が休まらない…」と本音を漏らす学生も少なくありません。
なぜなら、学生は企業から連絡があった場合「返信しないと印象がわるくなる…」と考えるからです。
そう思われてしまっては、人事担当者様と学生は良い関係を築けず、貴社が就職先の候補から脱落するのは目に見えています。
そのような事態を防ぐため、LINEを交換した直後に「何時ならLINEを見やすいか」「発信が多いと感じたらそれを素直に言って欲しい」。
「これは入社後の評価に影響しない」と人事担当者様から言明してあげると、学生は安心して発言できます。
3.返信のハードルを下げる
大学などの就活セミナーで「就職活動は第一印象が肝心」とくち酸っぱく言われているため、彼(彼女)らにとって、人事担当者様とのコミュニケーションは、非常に気を使う行為の1つです。
人事担当者様がビジネスメールのような文章を送ってしまうと、学生がかしこまってしまい返信をちゅうちょする可能性があります。
内容はビジネスメールと同じでも、適度に絵文字やスタンプがあるとやさしい印象に変わるものです。
【メッセージ例】
LINEで友だち登録をしてもらったあと、すぐに『何時に返信していただいても構いません』と言及しておけば、コミュニケーションのハードルが下がり、学生は返信しやすくなります。
4.学生の不安を推察してメッセージを送る
みずから選んだ道とは言え、初めて社会へ出ることに「自分は志望企業の一員になれるだろうか…」、「面接でボロが出ないだろうか…想定外の質問をされたらどうしよう…」といった不安を抱え、就職活動に臨む学生は何人もいます。
ビジネスパーソンとして、キャリアを重ねた人事担当者様にしてみれば『そこは強い気持ちをもって臨んでほしい』と考えるところかと思われますが、全員がそれをできるわけではありません。
学生の中には「強い気持ちをもとう」と思っていても、緊張を抑えきれず、グループディスカッションや面接で普段どおり話せない人もいます。
人事担当者様も、そのような学生を数多く目の当たりにした経験があるでしょう。
友だちや後輩と過ごしていた大学生活とは違い、就職活動は1人で進めねばなりません。
就職活動は孤独と隣り合わせです。
そんな学生の気持ちを自社へ向かせ、志望度を高めていため、私たちカスタマーサポートスタッフは、お客様に対し「人事担当者から定期的に声をかけてあげるのが良い」とお伝えしています。
学生は、孤独感から逃れるため、自分と気の合う味方のような人を探しています。
だからこそ、友人と合同説明会に行ったり、貴社の説明会に参加したりするのです。
これ自体ルール上の問題はないですが、人事担当者様からすれば、本当は貴社へそれほど興味がなく、単なる付き添い感覚で来ている学生。つまり、志望度の低い学生の相手をする必要があります。
単刀直入に言えば、余計な仕事が増えるのです。
人事担当者様が学生にとって「味方」と認識されればムダな作業は発生しません。
そのためには、貴社に興味・関心がある学生の不安を推察し、それを解消する情報を届ける必要があります。
不安をいだいている学生が求めているのは、その解消法と乗り切りかたです。
人事担当者様のほうから不安点を聞き出し、『私は、親・兄弟・友だち・先生……周りにいる人全員に模擬面接をしてもらい、人と仕事をするときの話し方を練習した。その都度、フィードバックをもらって本番に臨んだ』といったような自身がやった練習方法を提案してあげれば、そこから、さらに話が広がるでしょう。
その積み重ねによって、学生は人事担当者様を『この人は味方』と認識するようになり、それを起点となり、貴社への志望度も高まっていきます。
学生がかかえる不安点と、その時々に合わせて送るメッセージについては、以下の記事にまとめていますので、ご一読ください。
5.メンター配置
解像度を高める上で、何事も経験者の声に勝るものはありません。
学生に貴社への解像度を高めていただくには社員様が直接伝えるのが、もっとも効果的と言えます。
そのために有効なのがメンター(相談役)の配置です。
具体的には当該学生と共通点がある社員様をメンターに配置する。
連絡先を交換したあと、学生と話しをしながら関係を作っていく、といった要領です。
もともと、メンターはインターンシップの指導役を示すことばですが、顔見知りや味方が欲しい気持ちは、インターンシップに限った話しではありません。
貴社を就職先の1つとして考えている人は、インターンシップのあとも「顔見知りが欲しい」「良好な関係を築きたい」と考えています。
それは仕事をするときの私たちビジネスパーソンも同じでしょう。
ビジネスパーソンであれば、業務を通じてコミュニケーションを取れますが、学生とはどちらかが動かない限り、接点をもてません。
学生は心が揺らぎやすいため、貴社から連絡がないと、貴社への関心が薄らぎ、ご担当様にそのつもりがなくても、彼(彼女)らは「自分は良いと思っていたけど、向こう(貴社)はそうでもないのかも…」と、不安を感じはじめます。
1度でも学生にそう思われてしまったら、就職先の候補から脱落です。
メンターの配置には、学生に貴社の施策を誤解させない。
社員様が直接話すことで、入社後の仕事内容をより鮮明にさせる、といった効果があります。
メンターの選び方、人事担当者様とメンター社員様の役割分担については、以下の記事に詳しくまとめておりますので、参考にしてみてください。
まとめ
学生時代、就職先を考えるとき、今この記事を読んでいる人事担当者様も、「自分に何が向いているのか…」、「どこの会社の選考を受けようか……」と、悩んだ経験があるかと思われます。
人事担当者様としては、自社のことを第一に考えて欲しいところですが、心の揺らぎを抑え込むのは不可能です。
説明会の中で「選考を受けるように」と伝えることはタブーではありませんが、就職活動を含め、これからどんなキャリアを歩むかは、あくまで学生個人が決めるべきこと。
企業様側の思惑だけで、そのような促し方をしてしまうと、「圧力をかけられた…」と、感じる学生もでかねません。
このような声がけも採用活動においては、不適切と言えます。
人は不安を抱えると誰かに話したくなるもの。
学生に移行を促すときに、大切なのは「心を揺らがせないこと」ではなく「揺らいだときに相談にのれる社内体制と、彼(彼女)らが『相談してみよう』と思える関係を築いていること」です。
そのために、「1人ひとりの希望に沿ったツールで連絡を取り合う」、「返信のハードルを下げる」といった施策が有効になります。
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