最終更新日 2021年11月22日
ビジネスシーンにおいて、仕事をするときには「自分と話しやすい人・気の合う人と働きたい」と思うものですが、それは学生も同じです。
就職情報会社「学情」の調査によると、22年卒のうち87.5%が「セミナー後に選考参加をやめた経験がある」と回答。
その理由を尋ねたところ「企業の雰囲気が自分に合わないと思ったから」が61.9%。次いで「仕事内容が自分に合わないと思ったから(59.9%)」となっています。
これは、企業側からみれば「学生に社風が伝わっていない」との事実を表している、と言わざるを得えません。
しかし、原因が分かっていても、WEBによる説明会や選考が一般化しつつある今、パソコンの画面上だけで、対面形式と同じように社風を伝えたり業務内容を伝えたりするのは難しいもの。
なぜなら、短時間に会社の良いところだけを説明すると、どこかウソっぽく見えてしまうからです。
それゆえ、社風の伝え方に悩む人事担当者様は少なくないと思われます。
ですが、会社の雰囲気や仕事内容がしっかり伝わらなければ、上述のとおり選考辞退・あるいは内定辞退が発生しがちです。
そこで本記事では、「WEBインターンシップ・説明会における社風の伝え方」についてまとめていきます。
この記事の目次
「社風」を分析し、言語化する
ひとくちに「社風」と言っても、その内容は上述のアンケートのとおり「人柄」や「仕事内容」など多岐にわたります。
上述のアンケートにおいて「学生は社員の人柄を重視する」との結果が出ていますが、その「人柄」だって1つではありません。
たとえば、仕事をしているときと、休憩しているときでは同じ人でも「人柄」が異なるでしょう。
会社紹介、あるいは社員紹介の企画を考える際には「人柄」のなかでも社員のどんな様子を撮るか、明確にする必要があります。
1.そもそも「LIVE配信」と「VTR」どちらが良いのか
WEBで社風を発信する場合、方法は「LIVE配信」と「VTR」のどちらかになると思われます。
LIVE配信には現場の雰囲気をリアルに伝えられる、VTRには整理した情報を観てもらえる、とのメリットがあります。
だからこそ、企業からすれば「どんな形での配信が最適なのか…」と悩むところでしょう。
結論から言うと、セミナーでは「VTR配信が良い」とお伝えしています。
なぜなら、LIVE配信でカメラを持ちながら社内を見せようとすると、どうしても忙しない印象に。
結果、LIVE配信を観た学生はその印象だけが強く残り、肝心の社風が伝わらないからです。
WEBインターンシップ、または説明会の時間はどんなに長くても1日あたり4~5時間程度。
そのうち会社全体を紹介するのは、初日の開始40分程度です。
短い時間で「企業が伝えたいこと」「学生が観たいこと」が確実に伝わるよう、会社紹介はVTRで行うと良いでしょう。
2.学生に聞く
そこでやっていただきたいのが「学生へのアンケート」です。
いっけん、これは企業としてさじを投げているように思えるかもしれません。
しかし、学生はインターンシップや説明会の内容に満足いかなければ、その時点で選考辞退、または内定辞退する可能性があります。
会社紹介VTRを制作する前には、学生にどんな情報が観たいか聞きましょう。
アンケートを取るタイミングは、インターンシップの前がおすすめです。
具体的にはインターンシップの予約確定メール、または事前説明メールにアンケートを挿入しておく、といった施策があります。
紹介VTRに学生の意見を取り入れられるよう、できるだけ早くアンケートを実施してください。
3.企業側でも推察する
学生に聞いてVTRを作る、とはいっても企業側でも制作の目安がないと動画を作りづらいかと思われます。
そこで、企業側でもVTRの構成を作りましょう。
(1)構成づくりの注意点
企業が紹介VTRを作るとき「代表挨拶」や「事業紹介」を盛り込もう、と考えるかと思います。
しかし、それらはWEBインターンシップの初日や説明会の当日に担当者が補足を入れて説明すれば、学生は把握可能です。
WEBインターンシップ、または説明会参加する学生は、ホームページや会社紹介のパンフレットに書いていない情報への関心が高いと思われます。
MOCHICAのセミナーでは、人事担当者様に「以下の情報を載せるのが有効」とお伝えします。
●職員玄関、廊下、ロビー
●各部署のオフィス(3~5部署程度)
●会議室など面接会場
●休憩スペース
ホームページやパンフレットで会社紹介を制作する場合、写真のみを掲載するケースが多いかと思われます。
それも手法としては間違っていませんが、学生と話をすると『会社全体のイメージがつかみにくい…』と、くちにする人は少なくありません。
学生の多くは、選考や就職を意識し、面接会場やオフィスの様子を気にする傾向にあります。
だからこそ、学生は冒頭のアンケートにあるように「社員の人柄」や「オフィスの雰囲気」を気にかけるのでしょう。
WEBインターンシップや説明会における企業紹介VTRは、オフィスに来られない学生に対し、自社の内情を分かりやすく説明するための手段です。
企業が見せたい情報を紹介するだけでなく、第一に学生の「見たい情報」を届けるよう、情報を推察し構成を決めてください。
紹介動画の時間と内容
企業側からみれば伝えたい情報は多くあるかと思われますが、だからといって動画の時間があまりに長すぎると学生に飽きられてしまいがちです。
”飽き”は志望度の低下を招く原因になります。
動画の時間は、どんなに長くても20分程度が良いでしょう。
1.具体的なコンテンツ
肝心なのはその20分前後を、いかに学生が飽きないよう割り振れるかです。
以下、そのコンテンツにすべきか理由を交えながら書いていきますので、コンテンツ作りの参考にしてみてください。
(1)代表挨拶
インターンシップや説明会に参加する学生の多くは、おそらくホームページやナビサイトで貴社の情報をある程度調べていると思われます。
そのため、代表挨拶は3分ほどで良いでしょう。
ただし、ホームページと同じ挨拶をしてしまうと、学生の飽きを招く可能性があります。
インターンシップと説明会で、それぞれ挨拶を撮るのが良いでしょう。
(2)事業概要の説明
こちらも、上述と同様の理由で長い説明は不要です。
時間の目安としては3分。会社のホームページなどを基礎資料に、口頭で補足しながら進める程度で構いません。
(3)オフィス全体の紹介
事業概要の説明が終わったら職員玄関や廊下、ロビー、面接会場(会議室)、休憩スペースなどを見せましょう。
このとき、「学生さんには、ここ(会議室など)で面接を受けていただきます」など、シーンに応じた補足があると彼(彼女)らは、選考や入社後の生活をイメージしやすくなるものです。
学生の不安を拭うため、都度シーンに合わせて解説をしてください。
とはいえ、会社の共用スペースを見せるだけなので時間的には3分程度。短くて構いません。
(4)各部署の紹介
単にビデオカメラで各部署の様子を見せられても、そこから社員の人柄を推察するのは困難です。
上述のとおり、部署の人柄や社員の人柄がわからなければ、学生は選考辞退しかねません。
それを防ぐためにMOCHICA運営部では「社員へのインタビューが有効」とお伝えしています。
①紹介時の注意点
学生の多くは、社員の人柄や入社後のキャリア形成に関心が高い傾向が見受けられます。
そこで、入社後のキャリアイメージが伝わりやすいように、社内の業務をひと通り経験している社員にインタビューを実施。
おおむね、入社3年目~5年目の社員が良いでしょう。
その上で、以下のような質問をするのが有効です。
-
●志望動機、今の会社を目指したきっかけ
●入社前のイメージと、実際に入社した後の印象
●入社時~現在までのキャリア
●現在の仕事内容
学生と年齢が近い、社内の業務をひと通り経験した社員にインタビューを実施すれば、彼(彼女)らは入社後のキャリアをイメージしやすくなります。
くわえて、入社前後の印象を尋ねれば「どんな会社なのか」がダイレクトに伝わるでしょう。
学生にアンケートを取り、彼(彼女)らの関心が高かった3~4部署に対しアンケートを実施してください。
ただし、アンケートを実施するとき1つだけ注意していただきたい点があります。
それはインタビューイ(人事担当者)も顔と名前を出すこと。説明会や選考を前に緊張している学生さんは少なくありません。
説明会・選考までのあいだ、学生との窓口になる人事担当者が早い段階で顔を出しておけば彼(彼女)らは、説明会などの際「あの人、見たことある!」となります。
誰でも初めての場所に行くのは緊張します。そのときに”顔見知り”が1人でもいれば、多少なりともリラックスできるものです。
些細ですが、このようなちょっとした配慮の繰り返しが、学生の不安を拭い、志望度の低下を防ぐことにつながります。
インタビューは、人事担当者と対象者(社員)の名前と顔が分かるよう、必ずコの字型でおこなってください。
(5)質疑応答
企業側が「分かりやすく伝えようとさまざまな準備をしても、それで確実に伝わるとは限りません。
WEBインターンシップ・説明会のプログラムが終ったあとにも質疑応答を設けると思われます。
ですが、学生の理解度を深めるため、会社紹介が終った直後にも質疑応答があると親切です。
ただし、学生が緊張しているため質問が出ない可能性があります。
そのときには、彼(彼女)らが話しやすいよう、人事担当者から「ビデオの情報以外で知りたことはありますか?」「ビデオを見てどうでしたか?」など、質問をうながしましょう。
WEBインターンシップの準備、具体的な進め方については、以下にまとめていますので、ご一読ください。
「WEBインターンシップ」と「説明会」、同じ動画を流して良いのか
結論から言うと、同じ動画を流して構いません。
ただし、インターンシップに参加している学生は社員の人柄や仕事内容。
説明会に参加している学生は入社後のキャリアや将来のビジョンに対し、関心が強い傾向があります。
このため、インターンシップと説明会。同じ動画を流しつつも、それぞれ上記について口頭で詳しい説明があると親切です。
学生がそれぞれのシーンでいだく疑問に対し、口頭で詳しく説明すれば同じ動画を使って構いません。
「入社」していただくために
学生が受けている選考は1社や2社ではありません。
彼(彼女)らの多くは”就活ルール”の期限内で「自分に合う会社」を見つけるべく、同時期に複数の選考を受けています。
そのため、企業側がWEBインターンシップや説明会で、社員の人柄や仕事内容を、どんなにていねいに説明しても、その後、志望度が落ちて選考・または内定を辞退してしまう場合があります。
具体的には、内定を得た学生であっても『この会社で本当にやっていけるか…』『もっと自分に合う会社があるのではないか…』と辞退してしまうケースがあります。
学生はアルバイト以外に働いた経験がないため、社会生活へのイメージがもてず、ほんの少しの不安でも内定辞退・選考辞退を考えがちです。
その不安を少しでも軽減するには、Twitter・TikTokで社内の情報を発信したり、コミュニケーションをとったりすることが不可欠です。
先ほども書きましたが、そういった積み重ねは学生の志望度低下を防ぐことにつながります。
学生に自社を「就職先」として選んでいただくためにインターンシップの前後~入社直前まで、こまめにコミュニケーションをとりましょう。
連絡の頻度、SNSで発信すべき情報については、以下にまとめていますので参考にしてみてください。
▷【採用プロセス別】LINE例文。インターン募集、内定者フォローなど
▷モチベーション低下防止に有効な「インターン後のフォロー」とは
まとめ
社員の人柄や仕事内容を見せると言っても「働きやすい」「良い職場」とだけプラスの情報だけでは学生は信じません。
なぜなら、貴社が良い職場が否かは学生1人ひとりが決めるべきものだからです。
だからこそ、企業側も社員1人ひとりにフォーカスを当て「どんな職場か」を客観的に説明しなければなりません。
ゆえに「社員にインタビューをする」「面接会場を見せる」といった方法が有効になります。
とはいえ、人事担当者様の多くは複数の業務と同時進行で、採用活動を展開していると思われます。
1人で学生の「見たい情報」を集めて編集するのは困難でしょう。
しかしながら、冒頭に書いたとおり動画の内容次第で学生が集まるか否かが決まります。
会社紹介の動画は、他業務への営業を最小限に留めるため、必ず複数人で作ってください。
疲弊し1人で動画をつくるよりも、複数人で負担を分担したほうが、クオリティーの高いVTRをつくりやすくなります。
MOCHICAでは専任のスタッフが付き、貴社のアピールポイントの明確化や、学生の就活ペースに合わせたメッセージの作成をサポートいたします。
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