採用は母集団形成から!学生がエントリーしたくなる「掲載文」の書き方


政府が定める「就活ルール(3月説明会/6月選考/10月内定式)」は、説明会~内定式までたった7ヵ月しかありません。
「7ヵ月」という数字だけをみれば長く感じるかもしれませんが、学生にとって7ヵ月で「ビジネスパーソンとしてのスタートの場」を選ぶのは難しいもの。
学生の多くは、「自分にとって最良の就職先」を見つけるため、同時期に複数の選考を受けています。
その中で、自社を就職先に選んでもらうには、学生が「ここで働きたい」と思うような情報を提供する必要があります。

だからこそ、採用担当者様はナビサイトやTwitter・Instagramなどでオペレーションを実施されるかと思われましが、学生の多くはBtoBの企業に対し知見がありません。
それゆえ、学生は知名度の高い企業に集中。言い換えれば大手企業と同じ手法でオペレーションを行っても、BtoB企業に学生は集まらないのです。
この記事を読んでいる採用担当者様の中にも、そのような状況に直面し、ナビサイトの運用に悩んでいる方がいらっしゃるかと思われます。
本記事では「学生がエントリーしたくなる掲載文の書き方」をまとめていきます。

執筆前の事前準備

何かをPRするとなったとき、私たちは無意識のうちに「良いところをアピールしよう」と考えがちです。
たしかに、自社の特徴や利点が伝わらなければ、学生は「入社しよう」とは思わないでしょう。
しかしながら、テレビやインターネットの通販番組が最適な例かと思われますが、商品(たとえば掃除機)の利点ばかりをPRされても、私たちは「欲しい」と思いません。

「欲しい」と思うのは、日常の中でその商品を使っている光景が浮かんだときです。
それは出勤日の朝、あるいは休日の日中かもしれません。さまざまなシチュエーションがあるでしょう。
そんな”日常”の中で「これがあったら便利かも」と考えたとき、私たちは購買へと動くのです。

モノを買うにせよ、企業へ入社するにせよ、私たちは理由がなければ動きません。
学生が、エントリーしたいと思うような紹介文を書くには、まず、「学生が求めている情報」を推察する必要があります。

1.情報の整理

ひとくちに「学生を募集する」と言っても、興味・関心の度合いは、学生によってさまざまです。
たとえば、業界・会社への関心が高い学生とそこまで詳しくない学生にアプローチする場合、本来であれば紹介文はそれぞれ変えたほうが、高い誘導率を見込めます。
ですが、ナビサイトに書ける文章の種類は1つです。そのため、ナビサイト上では、あらゆる志望度の学生を想定して、掲載文を書かなければなりません。
そのためにやっていただきたいのが、「学生の細分化」です

(1)学生の細分化

具体的には、以下のような学生がいると推察されます。

1.業界への関心が高い学生
  ●自社を第一志望に考えている学生
  ●第一志望ではないが、エントリー候補に入っている学生
2.業界ではなく職種で絞っている学生
 ●業界への理解度は高くないが、職種(仕事内容)に興味がある学生
3.職場の雰囲気(人間関係)を重視している学生

学生を細分化してみると、彼ら(彼女ら)の求めている情報が「仕事内容」「職場の雰囲気」の2つと推察できます。

2.大手とBtoB企業の違いを考える

上述のとおり、学生は知名度の高い企業に集まる傾向が強く、BtoB企業が知名度で学生に注目されるのは難しいと言わざるを得ません。
そんな中でBtoB企業がエントリー数を増やすには、学生に「仕事内容」「職場の雰囲気」をわかりやすく説明する。
その上で、自社をエントリー候補に入れている学生に対し、来社を促せるかがカギになります。

具体的な書き方

しかしながら、単に「仕事内容」「職場の雰囲気」PRしても、学生には”良いところ自慢”に見えがちです。
学生に掲載文をしっかりと読んでいただくためには、学生の求めている情報を最適な形で提供しなければなりません。
それを考える上で重要なのが以下の5点です。

1.読みやすい形式
2.わかりやすいタイトル
3.適切な小見出し
4.具体的で読みやすい本文
5.現場をイメージできる写真

単に「読みやすい」「わかりやすい」「具体的」と言われても、文章のみではごく一般にありふれたノウハウのように感じられると思います。
そこで本記事では、上記5点の違いをご体感いたくため会社紹介の例文を用意しました。
以下に、NG例とOK例がありますので、それぞれを比べながらここから先を読んでみてください。
(※本記事では、人事系企業を想定して会社紹介文を作成しました)


(ここをクリックすると【NG例】が表示されます)
(ここをクリックすると【OK例】が表示されます)

1.形式

NGを例とOK例を読み比べていただくと分かるかと思いますが、上記2つは文章のスタイルが大きく異なります。
前者は、会社の事業や方向性が分かるよう、「説明型」に。いっぽうで、後者は社員への「インタビュー形式」で書いています。
「説明する」という点では、どちらも間違いではありませんが、説明型をNGを例としているのは、学生が読んだときに仕事内容や職場の様子をイメージしにくいからです。

前者(説明型)でも、「人材系の会社なんだ」との事実は伝わるでしょう。
ですが、学生の多くが重視しているのは「そこに自分が入社したとき、どんな仕事をするか」あるいは「どんな場所で働くか」です。
入社後の仕事内容については、前者にもか書かれていますが、それぞれを読み比べると社員のことばで語られている後者のほうが、説得力を感じられるでしょう。
仕事内容や会社の雰囲気を伝えるには、後者(インタビュー型)が有効です。

こうした理由からMOCHICA運営母体であるネオキャリアでも、ナビサイトに社員へのインタビューを掲載しています。
社内である程度の業務を経験した中堅社員(入社3~5年目程度)にインタビューを行うと、学生が入社後の仕事やキャリアをイメージしやすくなります。

2.タイトル

会社紹介を読んでいただくために「他社より目立つ」のも戦略の1つです。
だからこそ、人事担当者様の多くが『タイトルにキャッチコピーを使おう』と考えるかと思われます。
それは、アイディアとしては良いのですがNGを例のように「見つける つなげる それが面白い」と書かれただけでは、何の仕事を指しているのか分かりません。

たとえキャッチコピーで目立っても、「パッと見で何の会社か」または「どんな仕事をするのか」が分からなければ離脱されてしまいます
それを防ぐためにOK例では『「見つける つなげる それが面白い 」~新卒紹介部△△さん~」』に変更。

使っているコピーは同じですが、「新卒紹介」「△△さん」と、部署名と個人名が入っています。
これらが入ることで、学生は『人材系企業のインタビューだ』と内容をひと目で理解できるでしょう。

3.小見出しの使い方と構成

会議などの際、資料が読みやすくなるよう小見出しを割り振られるかと思われますが、それはナビサイトの掲載文も同様です。
小見出しを使うと内容に区切りができるため、読みやすくなります。
今回のNG例では「主なミッションは採用支援」、OK例では「当社の魅力」といった小見出しを使っています。

小見出しの使い方としては、どちらも正解です。
しかし、NG例の「主なミッションは採用支援」、「若い人材が集まる新興企業」などの見出しはホームページの内容を復唱しているにすぎません。
繰り返しになりますが企業選びの際、学生が重視しているのは、『そこがどんな会社か』あるいは、『そこでどんな仕事をするか』です。
そこでOK例ではインタビュー形式を取り、小見出しは「当社の魅力」や「入社動機」などインタビューイが話しやすいものにしています。

インタビューイが話しやすい構成にすることで、学生も自身の入社後をイメージしやすくなります。

4.本文の書き方

本文は、インタビューイが話した内容をベースに執筆していきます。
ただ、単なる文字起こし(インタビューイが話した内容をそのまま掲載するだけ)では1文が長くなりがちです。
執筆は小見出しごとに要点を絞って進めてください。

とは言え、執筆者(人事担当者)もインタビューイも、そもそもインタビューに慣れてないかと思われます。
そのままインタビューを始めてしまうと、ホームページに書いてある内容と同程度の情報しか話せないものです。
そうなってしまっては、せっかくのインタビューも意味をなしません。

そのような事態を避けるため、「会社の魅力についてはこれを話す」「入社動機ではこれを話す」といった打ち合わせがあると良いでしょう。
話す内容や構成をあらかじめ具体的にしておくと、インタビューや掲載文の執筆が進めやすくなります。

5.写真の選び方

インタビューを掲載する際、インタビューイの顔写真を何枚も使う媒体があります。
たしかにインタビューイの顔写真は、”インタビューの華”です。
ですが、そればかりでは、学生は社内の様子を把握できません。
くわえて、同じ写真が何枚も続くと、志望度がよほど高くない限り『この先も、同じような内容が続きそう…』と考えてしまうものです。

社内の様子を見せるため、学生の離脱を防ぐため、OK例には、インタビュー本編とは関係のないミーティングルームの写真を載せています。

写真は(ミーティングルームなど)引きの写真も用意し、インタビュー本編の邪魔にならないところに配置するのが有効です。
余談ですが、インタビュー本編に盛り込めなかった情報は、補足として写真の下に入れると自然にみえます。

まとめ

ナビサイトの掲載文を書くとき「会社の雰囲気や、事業内容について伝えよう」と考えるかと思います。
しかし、「会社の雰囲気」を構成する要素は、1つではありません。オフィスの様子、働いている社員の人柄などいくつかの要素があるでしょう。
それゆえ、会社全体の様子を伝えようとすると、抽象的な印象になってしまいます。

記事中にも書きましたが、求めている情報は「そこに自分が入社したとき、どんな仕事をするか」あるいは「どんな場所で働くか」です。
だからこそ、インタビューで社員に、自分の部署(仕事)について語ってもらう、との方法が有効になります。
掲載文の執筆やホームページとの差別化に悩んでいる採用担当者様は、本記事を参考にしてみてください。

また、採用数を確保するには「ナビサイト経由でエントリーした学生をいかに説明会に導引するか」も重要です。
当社ではLINEを使ってエントリー者に選考案内を送れるMOCHICAというサービスを提供しております。
「ナビサイトエントリー者を効率的に導引したい」という方は是非お気軽にお問い合わせください。

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