最終更新日 2025年7月11日
近年、ChatGPTやGemini等AIの登場により、採用担当者の間では「見抜けるのか?」という課題が広がっているかと思います。選考に際し、エントリーシートの作成を含め、利用を完全に規制するのは実際のところ難しいと言わざるを得ない時代になりました。
本記事では、AIによる文章の“裏”をどう読み取るか、採用現場でできる具体的な対策をご紹介します。
この記事の目次
AIのゆくえ
上述のとおり、AIが書く文章には規則性がないので、エントリーシートだけを見て学生が書いたものか、AIが書いたものかを判断するのは難しいと言わざるを得ません。
くわえて、AIは、人間の指標をもとに文章の良し悪しを学習します。
これにより、AIが書くもの、作るものの質はどんどん高まると予想されます。
AIツールを無効にする施策
誰が書いたかに関わらず、学生の主張が貴社で求める人材像と合致しない場合は、これまでどおり不採用を通知しましょう。エントリーシート単体で、当該学生の適性を見極められない場合は面接で彼(彼女)らと直接話し、それを判断することになります。
そのために有効なのが「根拠を突き詰める」という方法です。
1.エントリーシートの根拠を突き詰める
AIは表面的に整った文章を書けても、「なぜそう思ったのか」は答えられません。深掘り質問で差がわかります。
たとえば、「学生時代に力を入れたこと」を起点に、職務適性を判断するときには以下の要領です。
Q:「学生時代に力を入れたことは?」
A:「(学生の答え)」
Q:どうしてそれに取り組もうと思ったのでしょうか。それにより、ご自身にどんな変化がありましたか?
このように、 「なぜ取り組んだのか?」「その経験はあなたに何をもたらした?」と続ける。
話に中身があるかチェック、根拠ある回答がない場合は候補から外す判断へ。
AIツールが論理的な文章を書いてくれるので、エピソードの部分を自分の話しに置き換えるだけで、学生は人事担当者様にウケそうなエントリーシートをすぐ作れます。
が、「取り組んだきっかけ」は当該学生しか答えられません。まずはきっかけを聞いてみて「具体的な話がない…」と感じましたら、AI活用したエントリーシートという旨を念頭に置いてください。
質問の変化球は自己分析の結果を頭にしっかりと入れて理解していないと答えられません。
「AIが書いたエントリーシートの内容」と、「きっかけ」をその場しのぎで繋げられたとしても、それと自分自身を関連づけるのは至難の業です。
具体的に話せるのは、自分でしっかり考えた人もしくは、想定問答を準備した人です。
どんなに想定問答を繰り返しても、学生時代に力を入れたことと志望動機が付随していなければ、人事担当者様が『なぜですか?』と根拠を問い続けるほど、彼(彼女)らの答えは抽象的になりかねないです。
2.回答のズレをつく
上記と合わせて採用担当者様に注目していただきたい点は「エントリーシートと面接のズレを作る」です。
これは「意図的なズレ」であり、触れていない別の角度から質問を投げる事です。面接において学生は、採用担当者様からの質問にその場で的確に回答せねばなりません。たとえば、面接で志望動機を深堀りした質問をしたとき、学生の回答が履歴書やエントリーシートと同じであれば『貴社への課題解決意識・志望度は低い』か、もしくは自分自身で作った理由ではない可能性が高いです。また、アピールポイントが履歴書やエントリーシートと統一性がない場合は『十分に自己分析をできていない=貴社へ入社しても問題の本質を理解できず、解決できていない』ことになります。
つまり、中長期的に見ても戦力にならない可能性があると判断できます。
このように履歴書やエントリーシートとのズレを、学生の志望度や主体性を判断する指標の1つになります。
3.課題をぶつける
さらに踏み込んだ方法として「学生に貴社の課題を尋ね、その解決策を挙げてもらう」という方法があります。
面接で学生に『弊社の改善点を挙げてください』と聞きます。
ここで、具体的な改善点や解決策を答えた学生は、普段から貴社について調べ、考えており「問題解決への意識は高い」と評価して良いでしょう。
ただし、この方法は貴社にとって諸刃の剣でもあります。
なぜなら、学生の多くはアルバイトとしてしか働いた経験がないから。
彼(彼女)らの多くは、BtoB企業の役割をほとんど知らないのです。
このため、何年もキャリアを重ねた貴社の社員と同じレベルで「学生が問題意識をもてるか」と言われれば、それは難しいと言わざるを得ません。
この問題を解決するには「学生が貴社の課題に触れられる環境」をつくる必要があります。
MOCHICAをご利用いただいている企業の人事担当者様には「インターンシップにて貴社の経営課題を明かし、その解決策を学生に論議」という施策をおすすめしています。
貴社は「学生が考えられる環境」を提供しているのですから、それでも「自社に対する課題解決の意識が薄い」または「感じられない」と思う学生を不合格にすれば良いのです。
まとめ
AIツールの利用で文章の論理性は補えますが、それが当該学生の本質とは限りません。
記事中にも書きましたが、AIには絶対答えられない質問をすると学生の職務適性や性格に触れられます。
人間よりも記憶力があるAIツールを情報量で上回るのは困難ですが、質問でAIツール自体を無効にできます。
エントリーシートの単体で本質の見極めが難しい場合は、「記入内容と学生が面接で話す内容の矛盾点を深掘りする」といった施策が有効です。判断に悩んだら、本記事を参考に面接を進めてみてください。
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